三木清「人生論ノート」。運命、幸福、習慣、怒り、健康、希望、旅、

三木清人生ノート」(新潮文庫)を読了

人生論ノート (新潮文庫)

人生論ノート (新潮文庫)

 

学生時代以来、久しぶりにこの名著を再読した。
死。幸福。懐疑。習慣。虚栄。名誉心。怒。人間の条件孤独嫉妬成功瞑想。噂。利己主義健康。秩序。感傷。仮説。偽善。娯楽。希望。旅。個性。以上が、テーマだ。

解説」を書いている中島健蔵によれば、この小著は哲学者三木清結論とのことだ。三木清哲学が、どのような主体からまれたかを示すものであり、三木清という人間への入り口なのだ

三木清哲学者であると同時に文学者でもある。その資質の両方がうかがえる書き方だ。
人生においては何事も偶然であるしかしま人生においては何事も必然である。このような人生を我々は運命と称している。」
この言葉に続いて「偶然のもの必然の、必然のものが偶然の意味を持っている故に、人生運命なのである」、そして「運命的な存在である人間にとって生きていることは希望を持っていることである。」
この言葉にはうならざるを得ない。

いくつか言葉を拾ってみた。他にも読み過ごすような言葉も、立ち止まってよく読むと深い意味があることも多い。この書を取り上げる人が多かったのは、小著であり、テーマが明確であるから三木清という人物の考え方がよくわかるからだろう。中島健蔵のいういように三木結論かも知れない。

 

名言との対話10月12日三浦綾子