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小中陽太郎「上海物語 あるいはゾルゲ少年探偵団」

小中陽太郎「上海物語 あるいはゾルゲ少年探偵団」を読了。

 

上海物語 あるいはゾルゲ少年探偵団

上海物語 あるいはゾルゲ少年探偵団

 

 「老人は夢を見、若者は幻を見る」(ヨエル書)。

著者は「少年の夢と老人の幻」を書いた。1930年代から始まる時代と、21世紀の現在を自由に往復しながら、「ゾルゲ事件」を題材に自由で奔放で真面目で複雑な、そして魅力的な物語を紡いでいく。

再会と別離の織りなす運命。20世紀の少年から、作家と平和運動の葛藤とペンクラブ、そして21世紀の奇妙な現実と向き合う老人の視界。

小中陽太郎の自伝的ハイパー・スパイ小説。

 

「副学長日誌・志塾の風」170315

多摩キャンパス

  • 9時:駒沢女子大の入試関係者が挨拶に来訪。協定の件も。
  • 9時半:人事委員会:新メンバー:名誉教授。客員教授。学科配属。来年度採用分野のすりあわせ。
  • 10時40分:学部運営委員会:来年度からの新チームメンバーで報告と議論を2時間。
  • 下井先生:「問題解決学」のまとめ
  • 酒井さん(入試課):パンフレットの演題「大学改革の多摩大モデル」
  • 研究室:事務処理と明日の会合の準備

 

18時半:品川キャンパス

教務分科会主催(今泉分科会長)の大学院研究発表会を開催。初の会合。専任・兼担・客員で計15人ほどが参集。誰が何をやっているのかがわかるいい研究会だった。

 

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「名言との対話」3月15日。伊波普猷「深く掘れ己の胸中の泉、余所たゆて水や汲まぬごとに」

伊波 普猷(いは ふゆう、1876年(明治9年)3月15日 - 1947年(昭和22年)8月13日)は、沖縄県那覇市出身の民俗学者、言語学者、沖縄学の父として知られる。

伊波の研究は沖縄研究を中心に言語学民俗学文化人類学歴史学宗教学など多岐に渡る。その学問体系よって、後に「沖縄学」が発展したため、「沖縄学の」とも称された。『おもろさうし』研究への貢献は多大で、琉球と日本とをつなぐ研究を行うと共に、琉球人アイデンティティの形成を模索した。「日琉同祖論」はその探究の一つである。「沖縄歴史物語」で、日本の帝国主義と中国の夢の真ん中に沖縄があるとも語っている。伊波普猷琉球は言語などにみえるように日本文化の古層であり同じ民族であると主張し、民族の統一を積極的に進めるべきだと説いた。そして琉球の伝統文化の保存が行われた。この沖縄学の影響が強いが、同化に力を貸す手先ととなったとの評価もある。

沖縄県図書館長であった伊波普猷は「自覚しない存在は悲惨である」と語っている。歴史を学ばない民族の未来は暗澹としているということであろう。

浦添城跡の顕彰碑に「彼ほど沖縄を識った人はいない 彼ほど沖縄を愛した人はいない 彼ほど沖縄を憂えた人はいない 彼は識ったが為に愛し愛したために憂えた 彼は学者であり愛郷者であり予言者でもあった」と刻まれている。

冒頭の言葉はニーチェの警句「汝の立つ所を深く掘れ、其處処には泉あり」を愛した伊波普猷が沖縄語に翻案した琉歌である。自分の源を深く深く掘れ。己の立つ場所を深く掘りきった人の言である。