映画「蒼き狼 地果て海尽きるまで」--チンギス・ハンをテーマとした日本映画

春分の日


午前中は犬の散歩の後、原稿書き。


午後は、スポーツクラブでヨガを1時間。


その後、近くのシネマコンプレックスで映画を観る。

蒼き狼 地果て海尽きるまで」というタイトルのチンギス・ハンの物語だ。

4ヶ月のモンゴルでの現地ロケ、出演者全員が日本人、そして制作総指揮は角川春樹

ちょうど、日経新聞の連載小説が堺屋太一のチンギスハンで、毎日楽しみに読んでいるので興味が湧いたのでこの映画を観た。ちょうどトオリル・ハンとの戦いで一敗地にまみれるところだったので、今後の展開がわかった。

結果は期待はずれだった。2時間半近くの映像で表現するため、物語をかなりはしょっているので、シーンの必然性が伝わってこない。またほとんどが同じような大規模な戦闘シーンで、こういうところに大金をかけたのだろうが、幾分退屈だった。戦闘シーンの間に家族を巡るチンギスハンの人間味が表現されているのだが、あまり心を打たなかった。


夜は、食事の後、少し読書。

大拙の風景--鈴木大拙とは誰か」(上田閑照・岡村美穂子)


「四角・三角/不異/丸(円)」をあらわした図の書があった。これは大拙が書いたもので、三角と四角の組み合わせで「形あるものの世界」をあらわし、それが丸すなわち「空」に異ならずという意味である。これは色即是空を表したものだそうだ。三角と四角は宇宙図であり、円は無限を表す。

16歳からざっと60年に及ぶ友人であった西田幾太郎(「善の研究」を書いた哲学者)との交遊についての記事が興味深い。大拙は、「東洋的な見方」をもって西洋の考え方を補完し、それによって世界に尽くそうとした。西田は哲学で、大拙は宗教で、東西世界の融合をはかろうとして互いに影響を与え合った。西田の雅号は「寸心」で鈴木の雅号が「大拙」であるのも対称的だ。