全国市町村職員中央研修所(市町村アカデミー)で講義

毎年、千葉県幕張にある全国市町村職員中央研修所(市町村アカデミー)に出講している。
この大きな研修所は総務省(旧自治省)所管で、全国の市町村の職員を継続的に教育してきた機関である。立派な建物、整った設備で、宿泊設備も整っており、2ヶ月程度の長期研修も行われている。
国や地方という膨大な行政機構は、この国随一の巨大な教育研修機関でもある。変化しない部分、変化する部分を、研修という形でフォローするから、この研修所のような全国機関、ブロックの研修機関、各県の研修所などが重層的に存在していて、壮観である。

今回は、専門実務研修という枠の中で、企画事務という分野の研修の一部を受け持った。
全国の各県から1-2名ほどの受講生がいて、総勢47名だった。平均年齢は35歳。
所属を見ると、企画、政策、総務などの文字が並んでいるから、それぞれ自治体の中核的人材である。
企画財政課、産業経済課、企画商工課、企画管理課、総合政策課、行政経営推進室、まちなか整備課、生涯教育課、介護保険課、市長公室、経営企画部、人権推進課、政策推進課、地域振興課、経営戦略課、総務課、、、、。

役職は、主任、係長、主査、主事、主任主事、専門員、、、、。

いろいろな市町村名が並んでいる。
津別市、白老町八戸市広尾町三沢市、山元町、白鷹町宇都宮市川口市蕨市船橋市習志野市厚木市長岡市黒部市長野市垂井町沼津市焼津市名古屋市豊田市犬山市長久手市四日市市茨木市、三朝市、南部市、倉敷市呉市福山市東広島市防府市香南市那珂川町、久山町、鳥栖市五島市雲仙市熊本市都城市、和水市、沖縄市全国知事会

長期総合計画という10年計画をつくるとき前回の計画の総括と反省はあらゆる自治体はまったくしていないこと、この10年の行革の失敗で全国の自治体の財政が破綻状態になったこと、説得型行政という仕事ぶりが住民とのトラブルの原因であること、行革は仕事のやり方の変革と考えるべきこと、企画という名の部門は調整をしており企画ができる人は少ないこと、文章と箇条書きによる仕事のやり方が限界にきていること、考える自治体職員が求められていること、公務員の勉強病から脱皮すべきこと、、、、などを講義。

若手から中堅の職員層だが、やる気もあり、熱心だ。
今回も私の故郷の大分県中津市からは受講生がきていない。研修担当者にデータをみせてもらったが、研修にもっとも不熱心な県の一つのようだった。残念なことだ。

私の講演では必ずアンケートを書いてもらっているが、終了後すぐに書いてくれたので反応を読みながら帰る。
今回も「目からウロコ」という言葉を使った感想が一割以上あった。行政研修の場では、初めて聞く考え方ということのようだ。行革、長期総合計画などの実務にすぐに生かしたいという感想も多かったから、それぞれの自治体で頑張って欲しいものだ。


夕刻、東京に戻り、出版社と新企画の相談をした後、仙台へ。
予約していたはやての1時間前の便に飛び乗ったが満席だった。幸い一席だけ空いていたので、座って帰れた。


書斎の片付けをしていたところ、昔の日記が出てきた。
31歳から32歳にかけての毎日の事柄や感慨が数行程度記されていて、懐かしくなった。

仕事のこと、知研活動のこと、異動のこと、事故のこと、出版のこと、などが
書かれている。
結婚して、仕事がようやく忙しくなってきた時代であり、当時のことがよみがえってきた。

最初の子どもの誕生のことが書いてあり、本人も含めみんなで笑いあった。

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1月14日。
 恭子からTEL 子どもが生まれる。9月初め。
 できたかあ、親になるのか、という感慨がある。
 夜は、知研。「危機管理のノウハウ」(佐々淳行先生)
 新宿で二人で祝杯をあげる。ひどい風邪。
8月26日。
 午前5時40分頃、電話に起こされる。
 「女児誕生、母子ともに元気」意外にあっけない。
 空ろな意識の中で、奇妙な、新鮮な、唐突な、おどろきをおぼえる。
 不思議な感じの中にいる。
 2時に厚生病院へ。
 体重が2495gと少ないので、未熟児病棟の方に入れられていた。
 「ハナが高い」」のはわかるが、あとは、誰に似たのか、さっぱりわからない。
 元気が良い。
8月28日
 「梓」と命名する。
9月4日
 出生届。
 梓は、ぐんぐん大きくなっていた。
 丸顔に近くなった。
 恭子の乳がよく出るので、どんどん飲む。

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その他。

10月24日
 本社勤労部への異動の話あり。しかし、仕事が最ものりきったところなので、断る。
11月24日
 この日記を書き始めてから丁度1ヶ月。勤労部への異動の話が終わったところから
 書き始めたのだが、何と1ヶ月後には、又、異動の話。
 羽田。客室本部業務部予算定員グループ。、、、、
12月21日
 客室本部へ初出勤。
 夜は、中村課長、村林さん、小野瀬さんとかまたで飲む。
 挑発にのって、しゃべりすぎてしまったようだ。
 意外、朝の電車は座れる! 有効活用が決め手だ。
2月9日
 羽田沖にて事故。
 9時頃から朝の2時過ぎまで羽田東急ホテルにて事故対策に没頭。
 自宅帰着は、午前3時。

7月30日
 「自分学のための知的生産術」(八木哲郎、久恒啓一、久保秀寧、竹内元一 著)
  TBSブリタニカ。
8月14日
 東京都武蔵野青年の家の研修会における講師を依頼される。
9月1日
 知研会議 四谷ルノアール
 「自分学のための知的生産術」(1200円)9月20日発売。
9月22日
 知研講演会。加藤秀俊先生。
 「自分学のための知的生産術」
 ついに本の本物をみる。
 1200円にしては少し安っぽい感じはするが仲仲良い本。
 32歳で処女作か。さて、がんばるぞ。

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当時はやった三年連続日記で重厚な造りの日記だが、最初の1年目のみ書き込んである。
当時は、結婚し、異動があり、子どもが生まれ、初めての本が出る、という疾風怒涛の日々で、ひたすら毎日を忙しく生きていたという気がする。