「河北新報のいちばん長い日--震災下の地元紙」(河北新報社)

河北新報のいちばん長い日--震災下の地元紙」(河北新報社)を読んだ。

河北新報のいちばん長い日 震災下の地元紙

河北新報のいちばん長い日 震災下の地元紙

「東北振興」と「不羈独立」を社是とした、宮城県を中心に東北のブロック紙河北新報」は、3・11の東日本大震災に見舞われて被災したが、電気、幾多の困難を乗り越えて、「無休刊宣言」のもと「紙齢は絶やさない」という方針のもと一日も休むことなく新聞を発行した。河北新報は、朝刊は40数万部、宮城県は30万部の地元紙だ。そして東北6県に370カ所の販売店の持っている。私は仙台の宮城大時代には、この存在感のある優れた地元紙と縁が深かったので、深い共感を持って読み進んだ。

震災報道にあたってこの歴史のある新聞は無表情な客観報道ではなく、被災者に寄り添うという紙面づくりにこだわりその方針をやり通したのは見事だった。
震災報道を通じて新聞は情報のライフラインであることを新聞社自身が思い知った。「報道とは何か」という根本的な問いを持ちながらの必死の報道によって、新聞ジャーナリズムの底力と使命を記者たちが確認する日々となった。

この本はその詳細な内部ドキュメントである。新聞人としての使命感、目標に向けて小異を捨てて大同についたチームワーク、報道と救助の狭間で苦悩する記者たちの煩悶、、、そういう新聞社の動きが乾いたタッチで、しかも暖かい筆致で描かれている。
この本は2011年度の新聞協会賞を受賞した。そしてテレに東京系でもドラマ化された。

仙台時代に関わりのあった河北新報の社員の名前が出て来るため、臨場感を持って読むことができた。
鹿又久孝報道部次長、宮田建栗原支局長、菊池道治気仙沼総局長、大友庸一記者など名前と顔が一致する記者たちを始め、多くの河北新報の方々にお世話になったことを想い出す。
そういう気持ちを込めながら、敬意をもって以下に本に登場した人たちの名前を記したい。

武田真一報道部長(52歳)、渡辺龍(38)、一力雅彦社長(50)、太田巌(58)、草刈順(56)、原谷守(52)、荒浩一(49)、小島直広(43)、長谷見龍蔵(36)、丹野綾子(35)、佐藤純(54)、八代洋伸(46)、渡辺能央(42)、千葉行也(51)、射浜大輔(35)、桂川実(60)、瀬戸功(56)、昆野勝栄(40)、門田勲(45)、片桐大介(34)、毛馬内和夫(59)、原谷守、安野賢吾(43)、鈴木素雄(54)、練生川雅志(52)、鈴木幸紀(44)、渡辺雅昭(54)、矢嶋哲也(43)、古関一雄(42)、古里直美(45)、宮下拓(41)、藤平優子(40)、渡部勝之(52)、加賀山仁(38)、浅井哲朗(35)、菊池弘志(43)、浦響子(28)、高橋俊也(48)、中島剛(41)、早川俊哉(51)、村上俊(37)、相原重晴(41)、菊池奈保子(28)、佐々木正和(60)、佐藤崇(41)、末永智弘(37)、庄子徳通(41)、相沢美紀(31)、鈴木美智代(36)、佐久間緑(25)、剣持雄冶(26)、松田佐世子(41)、橋本俊(29)、太田巌(58)、、、。

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  • 本日の日経夕刊。「米、原発2基新設を承認」と「アラスカ ガス油田開発加速」が同じ面に並んでいました。

スリーマイル事故から34年ぶりにジョージア州に続き南部カロライナ州新規原発計画を承認。原子炉は日本の東芝傘下の米ウェスティングハウス。(原発技術は日本が優位)
アラスカ原油の記事は、LNGをアジアに向けて輸出すべく、北極海から太平洋にパイプラインを通すというもの。これは「シェールガス」の拡大の影響。(シェールガス革命の影響)

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学内日誌。

  • 3月31日は本年度最終日。私は3年間つとめた学長室長を交代(後任は中庭先生)。地域活性化マネジメントセンター副センター長も降板。また3年間つとめた多摩大総合研究所所長(後任は望月照彦先生)を退任。明日からは、経営情報学部長に就任します。「学内日誌」は、明日から「学部長日誌・志塾の風」として書いていくつもりです。