『沖縄戦・渡嘉敷島 「集団自決の」真実』(曽野綾子)

沖縄戦渡嘉敷島 「集団自決の」真実』(曽野綾子)を読了。

沖縄戦慶良間諸島渡嘉敷島で起きた住民の集団自決事件は多くの書物やなどで紹介されている。
定説では旧日本軍の赤松嘉次大尉(25歳)による命令で329名の住民が自決を強いられたとされる。。
この定説に疑問を投げかけた曽野綾子が1973年に書いた文章がある。その延長線上に1992年に出した「ある神話の背景」(PHP文庫)を改定し2006年に出したのが本書である。

大江健三郎が「沖縄ノート」で「巨きい罪の巨塊」と弾劾しているが、曽野綾子は、膨大な徹底した取材と長い時間の中で考え抜いた結果、「自決せよ」という命令を軍が出したという証拠は見つからなかった述べている。そして、このような最大の告発は自分にはできないと述べる。
「それほどの確実さで事実の認定をすることができない」、そして他人の罪を「それほどの明確さで証明することができない」という二つの理由からである。

責任は軍の隊長個人にもあるかもしれないが、村の指導者であった村長にもあるかもしれないし、そして日本軍や米軍、そして国がそういった環境をつくりだしたせいでのもあるかもしれない。それらは広い意味での集団発狂そのものであるといってもいいかもしれない。

自決の場面の証言は凄惨極まるものであり、涙なくしては読めない。
親が子を、夫が妻を、愛するものから順番に、苦しまないように徹底して殺していく。

赤松本人と部隊の生き残りは、「本当のことを言ったら大変なことになる、迷惑がかかる」と答えている。
軍の命令だったとしないと、死んだ人たちの遺族に年金が下りなかったという説がある。そのため口をつぐんだと言うのだ。

産経新聞の石川論説委員は、「解説」の中で旧軍の命令で、「渡嘉敷島座間味島の住民が集団自決した」とする従来の定説は、曽野氏の検証取材やその後の学問的調査により、ほぼ否定されたとしている。
しかし歴史教科書では「集団的な自殺を強制した」「集団自決を強要された」などの記述は残っているという

いずれにしても、不確かな情報で、事件や渦中の人を断罪していく危険性について、この本は教えてくれる。

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午前

  • 仙台の自宅の片付け。
  • 業者との打ち合わせ。

午後

  • 渡辺文彦税理士事務所。久しぶりの渡辺所長、そして担当の菊池さん。

車で那須へ。

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名言の暦 7月13日

命日

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生誕

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  • 青木繁1882:
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