坂村健「IoTとは何か--技術革新から社会革新へ」(角川新書)を読了。
30年ほど前からトロンの開発者として有名な著者だが、トロンの思想は実は現今のキーワード「IoT」そのものだった。「組み込システム開発環境」TRONは「IoT」のコンセプトを世界で最初に提示したのだ。「IoT」という言葉はよく聞くが、この本では具体的なプロジェクトに沿って実践者として説明してくれているのが貴重だ。
TRONでは組み込み用標準OSを確立し、普及させるために技術仕様もライセンスも無償で公開する「オープンアーキテクチャ」とした。
ドイツのインダストリアル4.0は製造業を対象としているが、日本のTRONは対象を限定していない。すべてを自動連携させようとしている日本の方がすすんでいる。ポイントは日本の進んだ技術をオープンにした「オープンなIoT」にできるかにかかっている。あらゆる製品に個体識別IDを組み込み、クラウドとつなぎ、スマホを使って読めるようにする。IoT(Things)ではなくIoE(Everything)だ。
トレーサビリティとメンテナンス:血液製剤などの医薬品。食品。家庭薬。冷蔵庫(製品期限)。ワクチンやワインには温度センサー(管理)。トレーサビリティ。そばアレルギー(食品の成分)。事故時(問題の所在)。廃棄物(分別・リサイクル)。住宅用火災警報器(故障・予防)。保証・メンテナンス。健康管理。旅客機の整備(部品メンテ)。街灯や遊具(点検)。インフラ管理。電力(予兆)。水道(「漏水)。
社会基盤の老朽化、エネルギー危機、災害、医療、高齢化社会、などの国家的課題をIoTで解決しよう。
ucodeで空間を場所として構造化。場所同士の関係性。マンナビ。電子結界。IOT国土。建築単位。エレベータ(移動予測・運転効率)。プログラマブル建築。インダストリアル4.0(蒸気・電機・電子の次)。サービス4.0(電話・通信・デジタルの次)。特定のお客様。都市交通はICカードをIoT化。最短経路案内。身体属性に応じた経路案内。。免税手続き。チェックイン簡素化。服の採寸。レストラン検索。海外旅行者への災害時支援。カスタマーがベンダーを管理。GoV2.0 オープンデータで行政イノベーション・情報公開。リアルタイム運行データ、乗客データ、、。)。API(アプリをかける)によるデータ公開(アプリの登場により開発コストはゼロ)。環境誠意は行政・活躍は民間。スマートハウス。カメラ(ピント)。こたつとエアコン連携。遊園地のアルバム。自動車は未来のカメラ。
プログラミング教育競争。プログラミングできる農民。イスラエル。エストニア。コンピュタサイエンス。ドッグイヤー(7倍)からマウスイヤー(18倍)。責任とコスト分担さえ解決できれば。自動車は道路センサー。日本のギャランティ志向が足かせ。オープン化。新宿の街灯。ガバナンスの問題。データは誰のものか。スマートグリッド(需要と供給の調整)。制度改革。プライバシートパブリックのバランス哲学。事業者の義務としてのプライバシー。情報利用裁判所。技術だけではなく出口戦略。何が適切か。
ucodeでモノ、空間、相互関係が統一的に扱える。ビッグデータ。リアルタイム。蛇口。ローカルとクラウドの総体を高度化。
東京の公共交通:鉄道14社局、バス38社局、タクシー1100社。経済成長のカギはイノベーションしかない。文系と理系の協力による大改革を。
「名言との対話」4月18日。中山みき「難儀は節だ、節から芽が出る」
中山 美支(なかやま みき、寛政10年4月18日(1798年6月2日) - 明治20年(1887年)2月18日)は、日本の宗教家、天理教教祖。
天理教は子ども時代に近所に集会所があり比較的馴染みがある。また青年向け機関誌「あらきとうりょう」の「コミュニケーション考」特集巻頭言にインタビューを受け、取材者の立ち居振る舞いに感心したことがある。他もそうだが、宗教団体の広報マンは身なりがきちっとしているのが特徴だ。
「人間の寿命は115歳となる。これから先はいつまでも生きていても良い。死ぬことを希望すれば、自由に死ぬこともできる。その時、来世にどういう生まれ方をするのかもわかるようになる」
あらゆる宗教の教祖に共通することは、その生涯のある時点において、「ひかり」との出合いがある」ことである。「われは世の光なり」と言ったキリストも、天理教の中山みき、大本教の出口なおなども、すべての教祖は「初めに光ありき」から出発した体現者であった。
木は節(ふし)から芽が出て花が咲く。人生の諸処であらわれる困難や挫折などを(節)と捉えよう。そこから花を咲かせよう。苦労は人を鍛えてくれる。