『図解コミュニケーション全集』第5巻「展開編2・キャリアデザイン」を刊行。

『図解コミュニケーション全集』第5巻「展開編2・キャリアデザイン」を刊行しました。コロナ禍の間の2年弱で、全10巻の半分まできました。

第1巻「原論編」は2020年8月。第2巻「技術編」は2021年4月。第3巻「実践編。よむ・考える・かく」は2021年9月。第4巻「展開編1・ワークデザイン」は2021年11月。第5巻「展開編2・キャリアデザイン」は2022年4月。

次の第6巻「展開編3。ライフデザイン」まで終えると、峠を越した感じになるでしょう。

第5巻は「展開編2」として「キャリアデザイン(キャリア戦略)」にかかわる著書を4冊収録しました。


学生を主な対象とした『自分伝説V』、若いビジネスマンを対象とした『図解仕事人』、中堅にさしかかろうとするビジネスマンを対象とした『30歳からの人生リセット術』、そしてビジネスマン全般を対象とした『ビジネス自分史』です。この巻は、ビジネスマンのキャリアを年代順に追っていくという構成になっています。それぞれ「図解コミュニケーション」の理論と技術を用いて説いています。

 

Ⅰ『自分伝説V』では、「就職・転職に成功するキャリア戦略」を提示しています。大学生と社会人の1-2年生を対象としてキャリア戦略のアドバイスを行いました。キャリア開発の出発点にたった若い人たちに、「自分史」を書くことをすすめて、その具体的方法をしめしました。

Ⅱ『図解仕事人』では、「知は現場にある」とのコンセプトで創刊したばかりの「光文社新書」のラインナップの一冊として、刊行した若手ビジネスマンへの応援歌です。ビジネスの本質はコミュニケーションにあるとの考えから、自分自身を実例としながら、コミュニケーション能力を劇的に高める技術を紹介しています。

 

Ⅲ『30歳からの人生リセット術』では、まだ「何者でもない自分」を見つめることから出発し、自分探しではなく、自分づくりを始めようというメッセージをこめています。今している仕事、今いる職場、そこを全力で堀ることで、キャリアを築いていこうという提言です。

 

Ⅳ『能率手帳でえがく ビジネス自分史』では、有名な「能率手帳」の創刊50周年企画とタイアップし、ブームとなっていた生涯全般を対象とする自分史ではなく、ビジネスマンの仕事を中心とする自分史を、「ビジネス自分史」と命名しました。ビジネスマンの「キャリア史」がテーマです。

 

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「名言との対話」4月28日。佐伯祐三「郵便配達夫」

佐伯 祐三(さえき ゆうぞう、1898年4月28日 - 1928年8月16日)は、大正昭和初期の洋画家。享年30。

大阪府に生まれ。北野中学在学中より油絵を描き始める。大阪の洋画塾で学ぶ。上京し川端洋画学校で藤島武二師事する。1928年、東京美術学校西洋画科に入学。結婚、1924年、卒業。翌年にフランスに渡り、ヴラマンクユトリロの影響を受けパリ下町を描く1926年に帰国。二科賞を受賞、この時期に連作「下落合風景」に取り組む。1927年に再度フランスに渡り、精力的に画業に励む。1928年、「郵便配達夫」を制作。わずか1年でパリで病没。

白矢勝一『佐伯祐三の晩年の衝撃の真実』(早稲田出版)を読んだ。30歳で亡くなった佐伯祐三の、病気、失踪などで揺れた晩年を追った作品である。伝記、評伝が多いのだが、証言内容が微妙に異なっている。医者である著書の白矢勝一はそれらを材料に、真実に迫った。米子夫人以外は、山田新一、大橋了介、伊藤簾、山口長男、宮田重雄、萩原高穂、井原卯三郎など、友人の画家たちの証言である。

結核による非業の早世、という一般的な認識ではなく、精神の異常による自殺未遂、最愛の娘の死等の悲劇を伴う、友人、知人を巻き込んだ壮絶なものだったという結論づけている。

佐伯の作品ではパリ在中時に描いた「郵便配達夫」が私が好きな絵だ。制帽と制服に身を包み、立派な白髭をたたえ、椅子に斜めに座った郵便配達夫は印象が深い。この作品は2022年2月2日に開館した大阪中之島美術館に所蔵されている。この美術館は構想40年だけあって、すでに6000点のコレクションを持っている。開館記念の企画展では99点を解説付きで展覧している。その代表的作品が、佐伯の「郵便配達夫」であることからも、佐伯祐三という画家の才能を偲ぶことができる。

佐伯祐三は30歳という夭折の画科であるが、作品数は多い。1925年は30点ほど、1926年は20点程、1927年は25点ほどある。常に描き続けていたことがわかる。その中で、「郵便配達夫」は代表作といってよいだろう。人は一点の代表作によって記憶される。