kindle-oasisで「選書と読書と執筆」のスタイルに再度トライ。

昨年初めに購入したkindle-oasisを今年なくしてしまって不便をしていたが、再び購入して本日から使い始めた。選書に有効。読書で、線引き、引用が自由自在。

以下、昨年のブログから。

  • kindleオアシスを買ってから、選書が楽になった。サブスクの対象になっている書籍や古典や著作権の期間が過ぎている青空文庫からを選ぶという方針が定まったので、費用が劇的に下がった。代金を払うものもできるだけ安いものを選んだ。これで5月分は5000円ほどで、4分の1になっているのは驚きだ。半減するのは間違いない。
  • kindle-oasisを購入し使い始めたことで変化がある。人選した後、まずkindleでアマゾンunlimited(月額980円で200万冊以上が読み放題)の本、0円の本、青空文庫で無料で読める本で適当な本を探す。無ければ「有料」の本をアマゾンで「古本」、次に「新刊」という順番でさしていく。これで試してみると、ほぼ全員の本が手に入る、そして費用は半額以下と激減することがわかった。「古本」以外は送料がかからないのも大きい。
  • kindleオアシスを風呂で読む習慣がついた。ペンは必要ない。自分の指で線が引ける。線を引いたところは、まとめてアウトプットができるのは驚きだ。Kindleを使った読書は速読に向いている
  • 「ハイライト」という機能があり、他の多くの読者が線を引いたとことがわかるという仕掛けになっている。不思議なことに、私が線を引くところと同じところが多かった。
  • kindleで電子版を目で眺めながら、風呂で線を引いていく。 iphoneに口頭で入力。手で修正。
  • アマゾンのタブレット「Fire7」。Kindleで購入した電子書籍をAI(機械言語)によって読み上げてくれる。このレベルが違和感がないまでになってきた。今までアナウンサーらの専門家が読んでくれる「オーディブル」で「耳読」を楽しんできたが、これに「Fire7」が加わることによって、読書の方法は新しい次元を迎えることになる。

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「名言との対話」8月7日。タゴール「人びと」は残酷だが、「ひと」は優しい

ラビンドラナート・タゴール英語Rabindranath Tagoreベンガル語রবীন্দ্রনাথ ঠাকুরヒンディー語रवीन्द्रनाथ ठाकुर(टगोर)、1861年5月7日 - 1941年8月7日)は、インド詩人思想家作曲家

詩聖。アジア人初のノーベル賞文学賞)を受賞。インド国家の作詞・作曲、バングラデシュの作詞、タゴール国際大学の設立者。

インドの名門タゴール家に生まれる。国内での学業、イギリス留学でも失敗する。ベンガル地方のヒンドゥ-教、イスラム教の最下層の芸能・修行者集団の歌に大きな影響を受けた。

1901年、野外学校を設立した。1921年に大学となり、1951年には国立大学となった。

1909年、ベンガル語の詩集を英訳出版し、イェイツが絶賛し、序文を書いた。

1913年、ノーベル文学賞を受賞。至極の技巧による深く敏感な、鮮やかな美しい韻文、が授賞理由である。

 大英帝国の横暴に対し非暴力・不服従運動を貫き、英連邦へと変貌させ、後の世界の指導者にに大きな影響を与えた聖人であるマハトマ・ガンジーのインド独立運動を支持した。タゴールは偉大なる魂という意味の「マハトマ」の尊称をおくったとされる。

タゴールは日本を5度訪問している。私の人物記念館の旅では、タゴールの見かけることが多い。

2006年。王子の飛鳥山公園の一角にある渋沢栄一史料館を訪問する。インドの詩人タゴール蒋介石など内外の要人を招いた晩香慮と青淵文庫(青淵は渋沢の号)も公開されていた。

2006年。茨木県五浦には天心邸が残っている茨城大学五浦美術研究所があり、この研究所の道を隔てた対面には天心の墓所もある。研究所のその突端の崖の上に有名な六角堂がある。眼下に波のしぶきを見下ろせる。天心が開扉した法隆寺夢殿(八角)を模したともいわれている不思議な建物である。朱塗りの外観の中に、畳を不思議な形に切って、4畳半ほどの空間が見える。ここが天心の書斎だったのだ。外側から部屋を通して海に目を転じると、太平洋の豊かさと眼下の波のしぶきのみが見える。空と海と対峙しながら思索や読書に時間を過ごしたという。朱塗りの柱、屋根の上の如意宝珠、床の間を備えた茶室的空間である。断崖のすそを払う太平洋の波音を聞きながら思索にふけり、和漢の書を紐解いた場所である。ここにインドの詩人・タゴールは1916年に足を運び、亡き友を偲んでいる。私は、この六角堂に深い印象を受けた。

2009年。原三渓の横浜の「三渓園」の小高い山の頂上には、伊藤博文命名した松風閣が建っている。東京湾の絶景を見下ろすことができる。アジア初のノーベル賞をとったインドのタゴールもここを訪れた数ヶ月滞在している。

 タゴールの言葉を拾う。

  • 人間は、空間と時間との領域の中に住むほかに、もう1つ別の住居を持つ。自分の内面の王国の中に。
  •  物を与えることだけを慈善と心得ているのは、手に汗することを知らない人々だけである。
  • 果実の役目は貴重であり、花の役目は甘美なものであるけれど、わたしの役目は、つつましい献身で木陰をつくる、樹木の葉のようでありますように。
  • 危険から守り給えと祈るのではなく、危険と勇敢に立ち向かえますように。
  •  海を見ているだけでは、海は渡れない。

いかにも詩人らしい言葉の数々で心を打たれる。そしてタゴールは「 哲学なき政治、感性なき知性、労働なき富、この三つが国家崩壊の要因なり」と言っている。深くうなずくことができる警句である。

またタゴールは5度も訪問し、友人の多い日本の行く末を案じている。日本が行った対華21か条の要求には「西欧文明に毒された子ど」とし、満州事変以後の軍事行動には「日本の伝統美の感覚を自ら壊すもの」と批判している。これは友情のなせる業だろう。

冒頭に掲げた、「人々」は残酷だが、「人」は優しい、との言葉には胸を刺される思いがする。一人と一人はあたたかい交流が可能だが、集団同士や国家同士となるとそうはいかなくなる。この順序を変えて、「人は優しいが、人々は残酷だ」という言葉をタゴールの戒めとしたい。

日本との関係 画像