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「達人脳画バンク」。「時計遺伝子」。

致知」に面白い記事があった。

まず、中京大学の荒牧勇スポーツ科学部教授のインタビュー記事だ。脳科学の進展は、多くの実りがありそうだ。
村上佳菜子宇野昌磨、中村明彦などトップアスリートの脳の磁気共鳴画像(MRI)を500人ほどとり続けている人だ。トップアスリートだけでなく、今後は分野を問わず一流の人の脳を対象に研究をすすめ、「達人脳画バンク」を創ろうとしている。

  • 視床が大きい。感覚情報や小脳・大脳基底核からの情報を大脳皮質に中継する働き。
    • フィギャの村上佳菜子の脳は、足の感覚や動きを司る部位が非常に発達。
    • 同じく宇野昌磨の脳は、小脳(運動)や前頭葉(目的に無カテ以降とする意志)が著しい発達。
  • 十種競技の中村明彦は、小脳が大きくなっており、特に体幹や防御姿勢に関わる部分が発達。アスリートとしての成長に伴い、性格や人柄も変化してきた。本番に強い人は脳内の「島」という部位(痛みや嫌悪などネガティブな認知)が小さい。
  • 特定の運動をすれば特定の脳部位を発達させることができる。自分の脳をデザインできる。
  • 変化を起こすには脳内で大きなエネルギーを消費するから、困難なことを始めるのはおっくうになる。それを克服する二は、無理矢理にでも始めてしまう。それを繰り返すと脳も変化し、自己変革できるようになる。テクニックとしては何かを始める前にルーティーン、一定の動作を行う。脳内に回路が形成されてスムーズに仕事に着手できる。

次に「時計遺伝子」の研究者・石田直裡雄(国際科学振興財団・時間生物学研究所所長)。時計遺伝子からの視界も広い。

  • ノンレム睡眠は脳のための睡眠、レム睡眠は筋肉のための睡眠。
  • 夜勤など睡眠の質が悪くなると、時計遺伝子がダメージを受ける。体内時計の老化が進む。健康寿命に関係。心筋梗塞の比率が上がる。睡眠は脂肪を燃やすためにあるから、メタボになるやすくなる。
  • 時計遺伝子の司令塔は脳の視交叉上核にある。末梢にいたるまで同調しながらリズムを刻んでいる。薬の投与時間を研究する時間薬理学。
  • 好きな時間に好きな物を食べられるようになり、体内時計が狂ってきた。生活パターンの変化が認知症にも関係。

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豊洲に住む娘を訪問。
今話題の巨大な豊洲市場の周りを一周。
「安全第一」の幕がうつろに響く。

「名言との対話」10月9日。薄田泣菫

  • 「長い文章なら、どんな下手でも書くことができる。文章を短く切り詰める事が出来るようになったら、その人は一ぱしの書き手である。」
    • 薄田 泣菫(すすきだ きゅうきん、1877年(明治10年)5月19日 - 1945年(昭和20年)10月9日)は、日本の詩人・随筆家。本名、淳介(じゅんすけ)。『暮笛集』『白羊宮』などで島崎藤村土井晩翠の後を継ぐ浪漫派詩人として登場。また、象徴派詩人として蒲原有明と併称された。大正以後は詩作を離れ、『茶話』『艸木虫魚』などの随筆集を書いた。
    • 「茶話」には過去の偉人、当時の有名人が数多く登場する。菅原道真、六代目菊五郎良寛大隈重信、、。こういった一角の人物の噂話、失敗談、クセや見栄を面白がって描いている。、その泣菫の人物眼はさえていて、谷沢永一が、渡部昇一との対談本「人生後半に読むべき本」の中で紹介している。詩人として有名な泣菫であるが、エッセイもいい。
    • 薄田泣菫の三びき猿。教訓のこもった詩だ。
    • 向う小山を猿がゆく、さきのお猿が物知らず、あとのお猿も物知らず、なかのお猿が賢くて山の畑に実を蒔いた 花が開いて実が生(な)れば、二つの猿は帰り来て 一つ残さずとりつくし、種子をばまいた伴(つれ)の名は 忘れてつひぞ思ひ出ぬ。
    • 与謝野鉄幹・晶子の子供の名前もつけている。交遊が広い。
    • 大阪毎日新聞社学芸部部長時代には、芥川龍之介を社員として招聘して発表場所を与えた。岡山の記念館にはその時代の原稿依頼や就職の世話などをした手紙が展示されている。
    • さて、冒頭の文である。だらだらと長い文章を、切り詰め、切り詰めて、鋭い随筆に仕立て上げる。その究極は、一編の詩ではないか。言葉を組み立てて見事な詩を書いた泣菫にとって、人生後半に詩から離れて書き続けたエッセイは、余分な情報を盛り込むことができるからお手の物だっただろう。短文を書けるか、それが書き手の条件だ。