新しいこと。iPhoneXを使い始めた。

新しいこと。

iPhoneXを購入。外形は現在の6プラスよりもかなり小さいが、画面自体はより大きい。

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「名言との対話」1月4日。鳥居民「なぜ、『昭和二十年』を書こうと考えたのか。多くの人びとが命を奪われ、多くの人びとが自らの命を断った年である。親は子に先立たれ、妻は夫を奪われ、子は親を失い、親と子が死んだ年である。そのような年は他にはない。その年はどういう年だったかを探ろうとした」

鳥居 民(とりい たみ、男性、1929年昭和4年) - 2013年(平成25年)1月4日)は、日本の歴史作家・評論家

勝算のない戦いをなぜ始めたのか。1991年の鳥居『日米開戦の謎』(草思社)によれば、長野修身海軍軍令部総長はアメリカとの戦争に反対だったが、陸軍がソ連戦に乗り出すのを断念させようと、インドシナに派兵しアメリカを挑発した。木戸幸一内大臣も日米外交の改善を望んでいたが、その条件だった中国からの撤兵を天皇に助言しなかったのは、2・26事件を抑えた側で成り立っている現政権への政治的復讐を恐れたためだった。つまり陸軍と海軍、現政権と批判勢力の暗闘によって、アメリカとの戦争に向かっていったという洞察である。国内問題が原因で負けるとわかっている対外戦争に打って出たのだ。

鳥居のライフワークである『昭和二十年』シリーズは、敗戦の年(1945年)1年間の社会の動きを、重層的に描くドキュメントである。丸谷才一はこの試みに対して、ギボン『ローマ帝国衰亡史』、頼山陽日本外史』、『平家物語』に匹敵すると評価している。井上ひさしも、読物として最高におもしろい、文学として、百科事典としても読める、と絶賛している。昭和の戦争を知るためには、必ず読まねばならない。

この『昭和二十年』は、2008年(平成20年)までに12巻まで刊行されている。13巻で絶筆。このあと2巻ないし3巻で第一部が完結し、第二部は3巻か4巻で終わるはずであった。全体では20巻ぐらいか。あるいは30-40巻になっただろうという説もある。

鳥居民は昭和20年の1月1日から7月2日までを書いた。1985年の56歳から、2012年の83歳までという長い時間をかけて「昭和二十年」を執念深く追い続けた。そして2013年1月4日に心筋梗塞で84歳で死去し、この大著はついに未完に終わった。鳥居の戦死ともいうべき人生を眺めると、ライフワークのと寿命との関係を考えさせられる。

参考『残る本 残る人』(向井敏

 

残る本 残る人

残る本 残る人