「クライマーズ・ハイ」

半落ち」、「震度ゼロ」など多作な人気作家・横山秀夫の書いた「クライマーズ・ハイ」は読んだことがある。1985年の日航機事故に対応する地方新聞社(上毛新聞がモデル)のデスクを主役とした物語で、新聞社の内部事情や記者魂や仕事への取り組みを考えさせる傑作だった。この事故には当時、内部に居た私にも様々な感慨があるが、外から眺めるとこういうこともあったのかと感銘を受けたことも想い出す。


山男が、ロッククライミングの中で感じる至高の瞬間をクライマーズ・ハイという。ランナーズ・ハイという言葉と同じで、ある苦しみを超えると短いが素晴らしい瞬間が現われる。実際の登山でのシーンや仕事上の苦しみを超えた時点など、クライマーズ・ハイと思われる部分があった。横山秀夫はタイトルの付け方がうまい。


この作品が長いドラマとなって放映された。昼間は社会人と留学生対象の特別入試だったのでずっと大学にいて前半は見ることができなかったが、夜の後半部分は見ることができた。主役の日航全権・佐藤浩一や他の配役も熱演している。