2018年秋のリレー講座始まる。寺島学長の講義「世界の構造変化と日本---何が問われているのか」。

2018年秋のリレー講座が始まる。

テーマ「世界と日本の構造変化と変わらざる視座を求めて--知の再武装の試み」。

本日の寺島学長の講義「世界の構造変化と日本---何が問われているのか」。

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 ・リレー講座:2008年から252回、13万人。多摩581(一般392・学生189)。ライブヴューイングで湘南・九段147、合計728名。10年の変化:100年人生とAI・生命科学の進化。知の再武装が必要。

・知の再武装流動性知能(知識量・劣化)-結晶性知能(つながり・課題解決力・努力で上昇)-唯識性知能(情動・美学・利他)。

・2018年・秋夏:IMFの見通し:世界3.9%成長。世界同時好況。アメリカ2.9%(IOT.シリコンバレー)。ユーロ圏2.2%(鈍化)。日本1.0、0.9、0.3(2020年。消費増税)。

・株式時価総額:GAFA+Mで4.0兆ドル(442兆円)・テンセント・アリババで0.9兆ドル=ニューセブンシスターズ=プラットフォーマーズ=データリズムの勝者。ITは平準化技術。プラットフォームで囲い込む。ITとFTの結婚)。

・2018年の日本:トヨタ23.8兆円・NTTドコモ10.9兆円・ソフトバンク10.2兆円。ユニクロ5.2兆円・オリエンタルランド4.4兆円。経団連会長企業の日立3.8兆円・新日鉄2.1兆円・東レ1.4兆円。株価上昇の原因は公的資金65兆円(日銀ETF買・GPIF年金)と外資(政府保証だ)。水ぶくれは3割(5割という説も)。

・トランプ:「グローバルを拒否」というが、実態は金融緩和で景気拡大を目指している

・中東(火薬庫):イスラエルシフト(アメリカ大使館移転)。イランとの核合意破棄(イスラムシーア派の三日月)。トルコへの制裁(通貨4割下落)。カタールがサウジと断交。100年前のオスマン帝国ペルシャ復権。中東の液状化の進行。トランプいの国内支持者向け施策。

・中国の強権化と強大化:台湾:エルサルバドルが断交。残りは19ヶ国。バチカンが中国の教会を認める。外交的孤立。北朝鮮:7.12米朝首脳会談朝鮮半島の非核化(北も米軍も)。香港:一国二制度は消えた。アンブレラ革命の民主化消滅。

・ロシア:モンゴル:ロシアの東方経済フォーラムに参加・軍事演習に参加。ロシアに引き寄せられている。年内の日ロ平和条約締結提案。1956年の日ソ共同宣言(平和条約で2島返還)。

・日本:ロシアの極東開発の資金源。北朝鮮への資金源。

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終了後:BS11の「未来先見塾」を放映。10人。

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 T-Studioでリレー講座参加者と学生も交えた「交流サロン」。

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始まる前に学長と懇談

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「名言との対話」10月4日。古野清孝「船の上から、海のなかの魚の群れを見つけられないか」

古野清孝、清賢兄弟は、1938年昭和13年) - 長崎県南高来郡口之津町(現・南島原市)で古野電気商会を創業し、漁船などの電気工事やラジオの修理などを手がける。二人には8人の妹、弟がおり、失職中 の父に代わって、漁船の電気関係の工事作業で家族の暮らしを支えていた。「生活は苦しかったからですね、とにかく、この貧乏を弟妹にもさせちゃいけないと。長男として、貧乏というのは罪悪と思いましたね」。

日本の漁業は、漁師が経験のなかで培ってきた「勘」と、その日の「運」が頼りであった。漁師たちの仕事を見ていた二人は、魚を見つけだす機械を作れば必ずあたると考えた。1948年昭和23年)に世界で初めて魚群探知機の実用化に成功する。長崎市合資会社古野電気工業所を設立し、魚群探知機の製造販売を開始する。この物語はNHKテレビ「プロジェクトX〜挑戦者たち〜」『兄弟10人 海の革命劇』で取り上げられた。

 

 「見えないものを見る」が事業テーマの古野電気は超音波・無線・レーダー・GPS などの技術を使い、独創性に富んだ電子機器を製造している。「魚群探知機」という名称は清孝が名付けたものだ。現在の最新鋭機の魚群探知機は数センチまでの魚のサイズが正確に測ることができるまでになっている。

この会社は、私の高校時代の友人が勤務していたので、関心があったのだが、今回改めて調べてみて、創業者の志とそれを実現する過程に心を動かされた

「勘と運」に支えられていた博奕の様な漁業に革命をもたらした魚群探知機は、今では漁業に無くてはならない装備になっている。「船の上から、海のなかの魚の群れを見つけられないか」という漁民たちの切実な願いを、魚影を発見する技術の開発で実現したのである。技術というものは、大したものだ。