渡辺和子『愛と励ましの言葉366日』--コップの大きさ小ささが問題ではなくて、そのコップなりにいっぱいになっている、それが自己実現ということだと思うのです。

 渡辺和子『愛と励ましの言葉366日』(PHP文庫)を読了。

 渡辺 和子(わたなべ かずこ、1927年2月11日 - 2016年12月30日[)は、キリスト教カトリック修道女 (修道女名:シスター・セント・ジョン)。 学校法人ノートルダム清心学園理事長2012年に発売した著書『置かれた場所で咲きなさい』が、200万部を超えるベストセラーとなった。

 愛と励ましの言葉366日 (PHP文庫)

愛と励ましの言葉366日 (PHP文庫)

 

 以下、心に残った言葉をピックアップ。

・コップの大きさ小ささが問題ではなくて、そのコップなりにいっぱいになっている、それが自己実現ということだと思うのです。

・実に育児とは、親の育児なのだ。

・使命という言葉は、命を使うと書きます。

・自由の本質は「選ぶ自由」である。

・自由とは、「こうありたい自分」をめざして、生き方を選んでゆく自由なのだ。

・一生の終わりに残るものは、我々が集めたものではなくて、我々が与えたものである。

・最もすばらしい力は、物事に意味を与えることのできる力ではないだろうか。

・孤独の中で人は成長していくのです。愛情を受けて人は育ちますけれども、孤独の中でも育ちます。

・「呼ばれた」がゆえに、そこに赴く、それが私たちの生活だと思っています。そして置かれたところで、「咲いていること」がたいせつなのです。

・多く与えれた人は、多く返さないといけません。

・肯(うべな)う。

・「にもかかわらず」、笑顔で生きる強さと優しさを持ちたいと思う

・励ましというのは、「私はあなたを信じている」という信頼からも生まれるものなのだ。

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「名言との対話」10月21日。宮脇壇「目で知り、頭で知り、身体で知り、足で知る」

宮脇 檀(みやわき まゆみ、1936年2月16日 - 1998年10月21日)は、建築家エッセイスト

父は洋画家、母はアップリケ作家。東京芸術大学美術学部建築科から、東京大学大学院工学系研究科に学ぶ。

代表的な建築作品に打放しコンクリートの箱型構造と木の架構を組み合わせたボックスシリーズがあり、「松川ボックス」は1979年に第31回日本建築学会賞作品賞を受賞した。宮脇による単純明快な建築は当時の現代美術からインスピレーションを得たものであった。柱無しで宙に浮くアート作品のような家、スタイリッシュを極めるという冒険、など今でも見る人を驚かせる新しさだ。

宮脇は、いいもの、優れたものに触れることに執念を燃やす人だった。映画、本、芝居、音楽、小物、食べ物、風景、人、、、。世界各地の旅では、目で見て、手で触って、定規で採寸し、手でスケッチする。いつでもどこでも、大きさや高さを測るための巻尺や定規を持ち歩いていたのだろう。この点は、農林学者の本多静六博士と同じだ。一般論ではなく寸法までも知っているから、説得力があり誰も反論できない。

後に 日本大学生産工学部建築工学科教授として後進を育てた時の教育理念は「眼を養い、手を練れ」だった。この言葉は教え子たちが没後に編集した本のタイトルになっている。「体で覚える」ことを重視した宮脇は、自分の眼力を高めること、そして自分の手を使って鍛錬するという行為を繰り返すことが重要だと教えている。また「かっこよければすべてよし」が口癖だったそうだ。

宮脇壇はさまざまの分野の書物を濫読する一方で、「目で知り、頭で知り、身体で知り、足で知る」ことが、出会った瞬間の判断を正しくすると信じており、身体全体で知ることに徹した身体知の建築家だった。この教えは建築界だけでなく、仕事に立ち向かう人びとへの貴重なアドバイスである。

 

日曜日の住居学 ---住まいのことを考えてみよう (河出文庫)