水天宮で「七五三」。中国人の幸福観。フジ子・へミングの魂のピアノ演奏。

水天宮で「七五三」を祝いました。

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今日のヒント。昼食時のTCATの中華料理店にて。

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瑞気臨門納千祥

吉星高照返百福

富貴吉祥年年在

如意財源日日来

要するに、中国の倖せとは、「福(運がいい)。富(満ち足りている)。貴(尊敬されている)。財(宝ものがある)」が揃っていること。 

道教で理想とされるのは、「福禄寿」、つまり幸福・ 俸禄  ・長寿。俸禄は経済(カネ)、長寿は肉体(カラダ)、とすると幸福は精神(ココロ)か。

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「名言との対話」12月5日。フジ子・へミング「一つ一つの音に色をつけるように弾いている」

フジコ・ヘミング、本名ゲオルギー=ヘミング・イングリッド・フジコ(Georgii-Hemming Ingrid Fuzjko,12月5日 - )、は、日本とヨーロッパ・アメリカで活躍するピアニスト。

父親はロシア系スウェーデン人画家・建築家、母親は日本人ピアニストの大月投網子 。ベルリン生まれ。東京藝大学音楽学部在学中の1953年には新人音楽家の登竜門である、第22回NHK毎日コンクールに入選をはたし、さらに文化放送音楽賞など、多数の賞を受賞した。卒業後、本格的な音楽活動に入り、日本フィルハーモニー交響楽団など多数のオーケストラと共演。かねてよりピアノ留学を望んでいたが、パスポート申請時に無国籍であったことが発覚する。赤十字に認定された難民として28歳でドイツへ留学し、ベルリン音楽学校を優秀な成績で卒業。その後長年にわたりヨーロッパに在住し、演奏家としてのキャリアを積む。

高名な作曲家・指揮者であるブルーノ・マデルナに才能を認められ、ソリストとして契約した。契約に際しては、バーンスタインなどからの支持と援助があった。しかし「一流の証」となるはずのリサイタル直前に風邪をこじらせ、聴力を失い失敗。フジ子は16歳の頃、中耳炎の悪化により右耳の聴力を失っていたが、左耳の聴力も失ってしまう。ストックホルムに移住し、耳の治療の傍ら、音楽学校の教師の資格を得、以後はピアノ教師をしながら、欧州各地でコンサート活動を続ける。現在では左耳は40%回復している。

平穏無事を願わない激しい人生を送ろうというフジ子は、様々の事件に遭遇していることが想像がつく。その結果、「人の言ってることなんて、わかったものじゃない。、、、自分の眼で見なきゃ」と強く思うようになった。

1995年に日本へ帰国。1999年にNHKのドキュメント番組『ETV特集』「フジコ〜あるピアニストの軌跡〜」が放映されて大きな反響を呼び、フジコブームが起こって、それは今も続いている。

『ピアノがあって、猫がいて』(株式会社ショパン)を読んだ。

好きな格言は、「いそがばまわれ」「正直者に神やどる」。好きな言葉は、「なんじのとなりをおのれの如く愛せよ」である。「私の人生にとって一番大切なことは、小さな命に対する愛情や行為を最優先させること。自分より困っている誰かを助けたり、野良一匹でも救うために人は命を授かっているのよ」の言葉どおり、写真では5匹の猫と暮らしていることがわかる。最近の動画では9匹の猫がいた。

インタビューでは、「いまいちばんやりたいことはなんですか」との問いに、「いい演奏をしたい」「健康を保ちたい」と答えている。この本の発行は2000年だから、20年以上が経過している。最近のコンサート情報をみると、2021年12月は、東京、兵庫、志賀、神奈川、福岡、愛知。そして2022年1月は、和歌山、愛知、立川、そしてパリというようにスケジュールが立て込んでいる。コロナ禍でも健康を保ちながら演奏を続けているのだ。

2015年に演奏した「ラ・カンパネラ」の動画を聴いてみた。2017年からの再生回数は500万回に近い。コメントは1000件以上あった。パリと東京でのインタビューも聴いた。若い頃より今の方がいい演奏ができているという。曲のことも、自分の弾きたいこともわかってきたからだ。

フジ子は年齢不詳だ。永遠に弾き続けるという意識なのだ。そして「死んだらお墓なし、灰は山か海にまいてもらいます」という死生観で、その日まで使命を果たし続けることだろう。

「一つ一つの音に色をつけるように弾いている」というフジ子・へミングは、「私はミスタッチが多い。直そうとは思わない。批判する方が愚かしい」という。「さるも木から落ちる」ということわざが好きだというように、間違わないことより、観客に届く演奏を心がけ、1回1回、魂の演奏を続けているのだ。いつの頃からか、人は「魂のピアニスト」と呼ぶようになった。