公立大学協会図書館協議会総会に出席(高崎市)

公立大学協会図書館協議会総会が群馬県高崎市で開催された。全国の県立・市立等の大学の集まり(公大協)の図書館の責任者(図書館長・事務長)の会議である。今年から図書館と情報ネットワークを担当する総合情報センター長を拝命したので、この会議に参加した。昔は全員が図書館長という役職名だったが、近年のコンピュータ化にともなって名称も変化してきている。情報ライブラリー長(公立はこだて未来大学)、図書・情報センター長(秋田県立大学)、メディアセンター長(島根県立大学)、学術情報総合センター長(北九州市立大学)、学術情報メディアセンター長(熊本県立大学)、総合情報センター長(名古屋市立大学)などが最近の流れである。


今回気がついたことがある。ほとんどの大学は、県立・公立・市立という設置者の名前をつけるか、看護・保健・医療などの分野の名称をつけていることだ。宮城大学のように地域の名前だけなのは、会津大学尾道大学だけだった。宮城大学というすっきりした名称を与えた初代の野田一夫学長の慧眼はさすがだと改めて感心した。


文部科学省図書館係長の説明では、学術情報基盤はライフラインであり、それはインフラとコンテンツで構成されている。それぞれの大学が総合的な基本戦略を持つことが重要。電子化への対応。人材が重要。ハイブリッドライブラリー。学内での共通経費化による安定的な財政基盤の確立。電子ジャーナル。所蔵資料のデジタル化。デジタルライブラリアン。利用者ニーズの把握が不充分。図書館長の専任制・任期。社会・地域との一層の交流。以上がキーワードだった。


高崎経済大学地域政策学部の大宮登学部長の「大学と地域貢献---地域が大学を創り、大学が地域を育てる」というタイトルの非常にいい講演があった。地域政策という観点から、学部の発展の経緯(地域づくり学科や観光学科の増設)、自治体との良好な関係、学芸員社会政策主事資格の取得プログラム、特色GPや現代GPへの取り組み、野村證券日本政策投資銀行の冠講座の存在、体系的で実践的なカリキュラム、そして地域政策に関しては最先進大学であるとの自負など非常に参考になった。大学がやろうとする地域貢献(教養・公開講座)と自治体側が期待すること(シンクタンク機能・産業活性化・提言)との大きなミスマッチの存在の指摘もあった。


前日夜の懇親会では、名寄市立大学石川県立看護大学図書館長とも話ができて、様々な情報を得ることもでき、今回の出張は今後の仕事の参考になった。


終了後、新幹線の時間まで2時間ほど時間があったので、「山田かまち水彩デッサン美術館」を訪問した。訪問記は明日書く予定。

大宮で乗り換えたら、新幹線の中で藤崎快適生活研究所長の牛尾陽子さんとばったり会う。日帰りで国土交通省での仕事という。宮城県行政改革推進委員会で一緒に仕事をしたことがあるが、宮城県きっての女性論客である。