シンガポールの光と影--「BS11」とインターゼミ学長講話

朝の散歩で見かけた休日の景色。

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九段サテライトでインターゼミが始まる前に金曜日のBS11「報道ライブ21」の録画をみる。
ゲストはプライスウオーターハウスに野田由美子氏、テーマは「シンガポール」。

会計事務所として出発したプライスウオーターハウスは、全世界に20万人のスタッフを抱え、世界中に事務所を構えており、各地で行政にも影響力がある不思議な会社だ。

ここがつくった「都市力」ランキング2014では、1位はロンドン、2位はニューヨーク、そして3位にシンガポールが入っている。因みに日本は13位。
このランキングの基準は「世界の変革力」「経済力」「生活の質」で構成されている。

  • シンガポールは、1位は交通インフラ。変革を続ける実験国家であり、一人当たりGDPは5.7万ドルでアジアトップ(日本は3.7万ドル)、そして安全・自然環境・住みやすさなどが指標の生活の質も高い。
  • ユニオンジャックの矢」と「大中華圏とアセアンを結びつける」接点にある。ロンドン(英連邦の盟主)-ドバイオイルマネー)-バンガロール(ITのメッカ)-シンガポール-シドニー(資源大国)という一直線の矢。へそになっている。
  • 中国のAIIB(アジアインフラ投資銀行)の設立は、イギリスの動きが契機となった。潮の流れが変わる契機か。1972年の中国の国連加盟の時に、真っ先にイギリスが動いた。
  • なぜシンガポールは成功したか? 1・危機感。2・リーダーシップ。 3・戦略性。智恵と戦略の国。
  • 水:マレーシアに依存せざるを得ない弱点をひっくり返した。雨水をためる。海水の淡水化。汚水の再処理(ニューウオーター)。2年毎に水の見本市を開催しイノベーションを先導。ソリューション、誘致、輸出のサイクル。水のハブ。マーライオンの吐く水は今は淡水、内海はいつの間にか淡水湖になっている。
  • 近隣と向き合う知恵:粘り強く交渉し、傲慢ととられない賢さ。無駄なもめ事を起こさない知恵。
  • 公共交通:ETCを全車が装備。電子化された道路課金。柔らかい政策。人口の3倍の観光客。
  • 幸福度は30位と低い。北欧が上位を独占。日本は43位。エリートの国。庶民は幸せか。14歳で仕分けられる。自由がない。笑顔の北朝鮮開発独裁国家。中国民主化のモデル?
  • リークアンユー亡き今、何によって国を束ねていくか。危機感の希薄化、成長がストップした時に、悪循環に陥るのではないか。走り続けるしかない。
  • 地方再生のヒントがある。危機感、リーダーシップ、戦略性。
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名言の暦 5月9日

命日

  • シラー1805:あまり熟慮しすぎる人間は大して事を成就しない。
  • 大谷米一1995:経営者は従業員の信頼を得られる人物であること。これは従業員を信ずることでもある。つまり相互信頼の確立。これが欠ければ企業は成り立たない。
  • 岡田茂2011:ここはいま、日本で最低の撮影所だ。しかし、私が来たからには大改革をして日本一の撮影所にしたい。みなが賛成してくれるなら、日本一に必ずできる。同じ夢を見ようじゃないか。

誕生日

  • ジェームス・バリ1860
    • 幸福の秘訣は、自分がやりたいことをするのではなく、自分がやるべきことを好きになることだ。
  • オルテガ1883
    • 選ばれたる人とは、自らに多くを求める人であり、凡俗なる人とは、自らに何も求めず、自分の現在に満足し、自分に何の不満ももっていない人である。
    • 高貴さは、自らに課す要求と義務の多寡によって計られるものであり、権利によって計られるものではない。まさに貴族には責任がある(Noblesse oblige
  • 高井伸夫1937:時間を前倒しできる者が勝ちを制する。