世田谷美術館の「小野二郎『ある編集者のユートピア』展で、ウィリアム・モリスの存在を知り、興味を持って横浜そごう美術館の「ウィリアム・モリスと英国の壁紙展」も先日みてきた。
ウィリアム・モリス(William Morris、 1834年3月24日 - 1896年10月3日)は、19世紀イギリスの詩人、デザイナー。「モダンデザインの父」。
モリスは小野二郎が自分を「モリス主義」だというほど影響を受けた人である。「美しい生活空間」という考え方は人々の暮らしに影響を及ぼした。
1861年、モリスは「モリス・マーシャル・フォークナー商会」を立ち上げた。室内の壁紙のデザイン・製造・販売を一貫して行った。自然を題材にシンプルな繰り返しのデザイン、地の層と花や葉の上層を重ねるデザイン、そして自然な動きと幾何学的な秩序ある法則のバランスに心を砕いたデザインへと変化していく。「楽園としての生活空間」である。
「役にたつかわからないもの、あるいは美しいと思えないものを家の中に置いてはならない」とし、生活と芸術を一致させようとした。自然をモチーフとする繊細で美しいモリスの図柄は今では世界中で愛され続けている。
「私たちの日常と住宅の壁を大地の見せてくれる顔や動物の魅力、、、(中略)、、を思い出させる装飾で覆いたい」
成長を暗示させる線を多用した壁紙で彩られた住宅は住む人に「まるで全部が成長しているように見える」と言わせている。自然の中に住むという感覚なのだろう。
企画展では9割以上は中年の女性だった。「美しい生活」は、彼女らの理想だろう。白洲正子のいき方にも関心が高いのも同じ匂いがする。
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カラダの日。
朝:ヨガ
午後:ジム:ウオーキング40分4キロ。筋トレ。
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「名言との対話」5月21日。「過去の日本にも往々にしてあったことだが、声の大きい者たちや偉い実力者が出てくると、皆が何も言わなくなってしまいがちだ。とりわけ政治の世界で『本当のこと』が言えなくなったら、世の中は真っ暗になってしまう」
與謝野 馨(よさの かおる、1938年〈昭和13年〉8月22日 - 2017年〈平成29年〉5月21日)は、日本の政治家。
東京都千代田区(現在)生まれ。東大法学部卒業後、日本原子力発電勤務。中曽根康弘元首相秘書を経て、1976年に自民党公認で衆院初当選し、衆院議員を計10期務めた。文相、通産相などを歴任。2004年、自民党政調会長に就き、当時の小泉純一郎首相が目指す郵政民営化の党内取りまとめに当たった。財政再建論議も本格化させ、経済財政担当相、財務相では消費税増税への環境づくりに努めた。2010年、たちあがれ日本の結成に参画し、自民党から除名された。2011年には菅直人第2次改造内閣の経済財政担当相に起用され、たちあがれ日本を離党。社会保障・税の一体改革を策定した。一方で、がんとの闘いを強いられ、体験談『全身がん政治家』も出版。2013年、咽頭がんの影響で声帯を切除して引退した。その後は都内の事務所で執筆活動などをしていた。2017年4月30日、自民党に復党した。(産経新聞の訃報より)
与謝野鉄幹・晶子夫妻の次男・秀(外交官)の息子である。祖父は生まれる前に死去し、祖母は4歳の時に亡くなっているから、二人の思い出はない。晶子が注力した学校法人文化学院の院長もつとめた。
民主党政権の菅直人内閣の大臣に就任したとき、誰もが驚いた。内閣府特命担当大臣(経済財政政策、男女共同参画、少子化対策)に就任し、新設された社会保障と税の一体改革担当大臣も兼務した。長く自民党の重鎮だったため、節操がないとの批判があったが、「政治家は、歴史と勝負している、という気概を持たなければいけない」と考える与謝野は日本を救うために仕事をすると表明していた。
今でも残っているホームぺージを覗いて「随想」を読んでみた。人物論中心だ。佐藤信二と南原晃などの訃報。そしてノーベル賞をもらう前の大村(智)先生とのゴルフも出てくる。ジュリアスシーザーという天才政治家をめぐっては、塩野七生から「ジュリアスシーザーは2000年に一人しか出て来ない人間。そういう人は何をやっても許されるのよ。与謝野さん達は駄目ですよ」と言われたと書いている。経歴をみると、囲碁の腕前はアマ七段、パソコンの自作できるほどの知識の持ち主、写真は玄人はだし、天体観測や釣りにも凝っている、という多趣味の人だった。政策について穏やかに語りかける人柄でもあった。
「日本が戦争に向けて坂道を転げ落ちていった昭和の初期。政治家は皆国民に迎合し、耳障りのいいことばかりを言っていた。今になって見れば、ほとんど皆、歴史の評価には一切耐えられないような政治に加担してしまったのではなかったか」
与謝野馨が言うように、本当のことを言えない、いや本当のことを言わないという状態の組織や集団の未来は暗い。まして政治の世界がそうなら先行きは真っ暗だ。