上野の森美術館「永井GO展」。

上野の森美術館「永井GO展」。

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永井豪は1945年石川県輪島市生まれ。幼少の頃に読んだ手塚治虫ロストワールド」の影響を受けて漫画家を志す。高校卒業後、石ノ森章太郎アシスタントとなる。「ずーっと独立したい、デビューしたい」と考えていた。「目明しポリ吉」でデビュー。翌1968年に「ハレンチ学園」で少年たちから熱狂的な支持を得るが、批判が殺到し、社会現象となる。ファイトが湧いて「もっと過激にやってやる」となり、テレビ、映画になる。「この作品をエッチだと感じる人は、その人自身に問題がある」。「ハレンチ学園」には私も思い出がある。大学時代に近所の高校生との最初のデートがこの映画だったのでよく覚えている。

 1970年の「鬼ー2889年の反乱ー」が転機となり、ストーリーマンガに向かう。1972年の「デビルマン」は日本マンガ史を彩る名作となった。永井は「本音・裏・矛盾点をつかんでいる」から多くの人に代表作として支持されたと考えている。「マジンガーZ」は巨大ロボットマンガの金字塔である。

永井作品の魅力は、伝奇、SF、時代劇、ギャグ、シリアス、バイオレンスなどジャンルの多彩さと独創性にある。ギャグマンガでは、ドタバタ、エロ、グロ、破壊、不条理、ナンセンス。非常識、パロディなどの不謹慎さに彩られている。

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「マンガを描く上で大切なこと」とは、やはり「自分が楽しみながら描く」ということでしょう。

「常に引き出しはたくさん持っておいて、編集から依頼されたら、それに反応して、「依頼があれば、いくらでもアイデアはあります」という『永井豪のヴィンテージ漫画館』の巻末インタビューには「あらかじめ、常に引き出しはたくさん持っておいて、編集から依頼されたら、それに反応して、「じゃあ、あれが描けるかな」と依頼に近いものを持ち出し、ちょっとプラスアルファを入れていきながら、形にしていくんです」。そういう姿勢でないと50年以上も描き続けることはできないはずだ。私もこのやり方で多くの著作を書いてきたからよくわかるが、それは作品をつくる仕事を長く続けるコツである。

影響を受けた漫画家は、手塚治虫白土三平石ノ森章太郎

座右の銘「常に未来に向かっていきたい」。過去はどんどん忘れていく。そういう姿勢が高いレベルで長く現役をはる秘訣なのだろう。

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 永井豪のヴィンテージ漫画館 (河出文庫)

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永山でN出版の編集者の安村さんと企画の打ち合わせ。大作になりそうだ。

ジム:ウオーキング40分4キロ。ストレッチ。筋トレ。2時間コース。

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「名言との対話」9月26日。市川昭介「聴いている人にまとめて演説しているんじゃなくて、聴く人の一人ひとりの心に訴えていくのが歌でしょう」

市川 昭介(いちかわ しょうすけ、1933年昭和8年1月4日 - 2006年(平成18年)9月26日)は、日本作曲家

1961年島倉千代子が歌い第3回日本レコード大賞作曲奨励賞を受賞した『恋しているんだもん』でデビューする。1962年、畠山みどりの『恋は神代の昔から』がミリオンセラーとなり、翌年の『出世街道』も連続のミリオンセラーを記録した。1964年都はるみの『アンコ椿は恋の花』が3作目のミリオンセラーとなり大ヒット。以後『涙の連絡船』『好きになった人』『大阪しぐれ』など、都はるみの一連のヒット曲を作曲し、国民的演歌歌手に育て上げた。門下生には、ジュディ・オング畠山みどり五木ひろし大川栄策、などがいる。

山口洋子編『市川昭介の歌上手になる本』(講談社文庫)を読んだ。一般人向けの歌が上手になるためのアドバイス満載の本だ。作詞歌の山口洋子が市川の考えを上手に引き出している。森進一の「東京港」を「どんなふうに歌たったらいいですか」との質問に、「森進一の物真似して」とアドバイスしているのは愉快だ。

以下、歌やそれを歌う歌手についての市川昭介の考え。

・うたう人の魅力的な部分をさがすことが仕事なんで、それが出来たら答えは出たようなもので、あとはメロディをさわっていけばいいことなんです。

・レッスンといってもそういう自信をつけさせるみたいなつもりでやっています。

・我々は新曲でいつも仕事をしているけれど、歌い手さんは一回目は新曲でも、うたうごとに古い歌になる。

 ・作り手と歌い手の違いっていうのは、大ざっぱにいえば生む方と育てる方の差ですね。

以下は、カラオケで歌う人へのアドバイス

・聴いている人にまとめて演説しているんじゃなくて、聴く人の一人ひとりの心に訴えていくのが歌でしょう。

・どんな歌でも、距離感というのは、見てもいいからもっと遠くに自分の気持を置いてほしい。(カラオケで詞を見ながら歌うと、目の距離感が歌の距離感になってしまう)

歌詞に様々のアドバイスが書いてある。とても親切な本だ。

たとえば、「アンコ便りは ああ片便り」では、最初の部分には「お腹に力を入れて」とある。私の十八番である「くちなしの花」には、「男の歌にはほどよい照れがあった方がいい」とのタイトルがついている。歌詞についている指導のメモは「全体に流れやすいので一言、一言、言葉をかみしめてうたう。〇印は適当な伸ばしで」「あまり思いをこめるといやらしくなってしまう。シャイな感じでうたってほしい」である。わかりしました。市川昭介先生!