梅棹忠夫ーーなんにもしらないことはいいことだ、

「名言との対話」。7月3日。梅棹忠夫

  • 「なんにもしらないことはいいことだ。自分の足で歩き、自分の目で見て、そのけいけんから考えを発展させることができるからだ。知識は、あるきながらえられる。あるきながら本をよみ、よみながらかんがえ、かんがえながら、あるく。これは、いちばんよい勉強のほうほうだと、わたしはかんがえている。」
    • この梅棹先生の言葉には、大いなる自由を感じる。あらゆる文献を読み、世界を探検して歩いた、この碩学の学びの極意がここにある。
    • 梅棹先生の本には、引用はない。本は読まないのかと問うたことがある。自分はオリジナルなことしか書かないようにしている。本は読むが、それは誰も言っていないことかどうか確かめるためだ、との答えであり、心底から驚いたことがある。
    • 人物記念館の旅も、なんにも知らずに出かけて行って、そこで事績を知り、その場で人となりを知って、帰路の途中や自宅に戻った後で集めた資料を読み込む。目的意識が高まっているから、砂にしみこむように知識が入ってくる。
    • なんにもしらないことはいいことだ、この励ましを念頭に、自由に旅に出ることにしよう。