渡部恒雄「米国のアジア回帰政策の行方」

リレー講座は、東京財団上席研究員の渡部恒夫さん。
テーマは「米国のアジア回帰政策の行方--対中けん制と中東の混乱のジレンマ」。

  • オバマ政権の対中政策の変遷とアジア回帰政策。
    • オバマ政権の対中政策はG2論の期待から始まったが、中国の2010年の行動は期待を裏切った。
    • 米国の対中政策の複合性
    • 米国内の財政削減をめぐる与野党の確執
    • 中東・北アフリカ情勢とオバマ政権
      • アラブの春の失敗。クーデター。アフガンからの撤退。イランとの電話首脳会談。
    • シリアへの軍事政権を巡るオバマ政権の迷走。
    • 米国のアジア回帰政策の行方と日本の戦略。
      • アジア回帰は努力目標。中東・アフガンへの関与もある程度は継続。
    • 米国は韓国を中国寄りにさせている阿部政権の村山談話河野談話の見直しには批判的。
      • 中国の経済成長は今後10年続く。それ以降の不安定化した中国への準備も必要。
      • 米国のリソースが限定される中、アジア太平洋地域の安保に日本やオーストラリアなどの同盟国が、中国を含む地域のルールつくりへの関与と安定に貢献にすることが重要だ。
  • タクシーのチェッカーズの運転手の工夫に感心。タクシーに乗る機会が多いが、いつも感じるのはカードを出すときサインが必要になる。このときに運転手は常にボールペンと下敷きを渡しにくそうに渡してくれるのだが、ほとんどの場合にサインすべき紙が丸まっていて名前を書きにくい。なんとかならないかと思っていたところ、今日の運転手は自分でバインダーを横向けに工夫したしかけで渡してくれた。こういうやり方だと気持ちよくサインができる。この工夫は個人で考えたとのことだったので、会社に提案して欲しいと伝えて、素晴らしいと絶賛した。ひとつひとつの細かい仕事に工夫を凝らすことが大事だ。他のタクシー会社も真似して欲しい。