「知の現場」の電子書籍化が決定

「知の現場」((久恒啓一監修・NPO法人知的生産の技術研究会編)のiphoneアプリをつくって無料でアップしたところ、ダウンロード数が非常に多く、完全版を出して欲しいという要望が強かったため、版元の東洋経済新報社から電子書籍としてを出すことに決まりました。21人の先生達に許諾をいただく作業に入りました。
この本は2010年1月発行ですが、この後にiPadの発売があり、読書環境が大きく前進したというタイミングもいい影響があったと思います。初の電子書籍です。

知の現場

知の現場

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「知の現場」のiPhone用アプリ(宣伝用)を作ったところ、わずか4日間で、1683件のダウンロードがあり、14カ国からのダウンロードがありました。遠くからはサウジアラビアから2件もダウンロードがあり、「知の現場」について世界中からアクセスがあり、その関心の高さには、皆、大変驚いた次第です。また、「知の現場」のiPhone用アプリの正規版はないのか?というような期待を込めた書き込みもあったことから、今回の決定になったもようです。

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本日、来学したP社の編集者とは、秋の出版に向けて現在進行形の書籍についての相談でした。「人物」をテーマとした本格的な書物となります。
また次の企画のユニークなアイデアも出ました。従来のビジネスもの中心の編集者ではなく、歴史物を得意とする編集者との付き合いによって、新たな化学反応が起こりつつあります。双方にとって枠を超えた企画が誕生しそうです。
また、この編集者とも電子出版とiPadの話題になりました。

今、出版界の話題は電子書籍一色の様相を帯びてきました。
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Twitter のフォロワー数が2000を超えました。http://twitter.com/hisatune






春秋

2010/7/5付



 米国も厳しい国だが、このままこの国にいても未来はないから。そんな会話の後、少女と父は中米の国、ホンジュラスからメキシコを抜け米国を目指す。公開中の映画「闇の列車、光の旅」は、米国に押し寄せる不法移民らの旅を描く。

▼日系の若手米国人監督の初長編。創作ではあるが入念な調査をもとにしており、記録映画のような味わいだ。実際、国境の南の人々とどうつきあうか、いま米国で議論が高まっている。先月は14歳のメキシコ人少年を国境警備隊が射殺。監視のため新型の無人航空機も飛ばすなど、国境付近での緊張が伝えられる。

▼世界は平和ではない。都内3カ所で開催中の報道写真の展示会を訪れると、改めて思い知らされる。主な撮影地はアフリカ、南アジア、中東。経済面での興隆が進む一方で、児童労働、女性の人権、政治活動や表現の自由、難民など闇も深い。すべての底には貧しさという古くて新しい問題がなお横たわっている。

▼4年に1度のサッカーのお祭りがもうすぐ終わる。ふだんなじみの薄い国々の名が、家族の会話にも顔を出したはず。ホンジュラスも今回のW杯の出場国だ。移民も難民も今後の日本と無関係ではない。子供たちや若者が世界に目を向ける契機に生かしたい。自国の応援で盛り上がって終わりでは、もったいない。