動物写真家の岩合光昭さんにはJAL広報部時代に海外取材のお手伝いをしたことがあります。同年生まれであり、動物を専門とするカメラマンということで親しみを持ちました。ネコの話も聞いた気がします。互いに30代の半ば頃です。その後、写真展の案内や、テレビで活躍を見るたびに思いだして嬉しく思っていました。
昨日から東京富士美術館で写真展が開かれたので、見てきました。
2012年8月から続いているNHKBSプレミアム「世界ネコ歩き」という番組は、何気なくみることがあります。世界各地のネコの姿と撮影の様子がユーモラスです。
岩合さんによると、ネコの写真は40年以上続いている「ライフワーク」です。こういうライフワークもあるのか。私もここ数年「後姿」の写真をテーマとしているが、続けてみよう。
会場でヨーロッパ、アフリカ、アメリカ、台湾、沖縄の数多くのネコ写真をみました。風景、人間、動物と一緒にネコが写っていて、心を癒されます。
月刊「潮」の巻頭カラーページは岩合さんのネコのカットで、2010年4月号から11年続いていました。2021年6月号で95回を数えています。58ヵ国、310カット、393匹のネコが登場しています。
岩合流ネコ撮影の10の心得。
1.まずネコにあいさつすべし(現地語で)。2.距離感をしっかり見極めるべし(近づいてくるのを待つ)。3.ネコに興味をもってもらうべし(関心をもっていないそぶり)。4.ネコの動きを読んで、穏やかに近づくべし(姿勢を低くして少しづつ近づく)。5.ネコをほめてのせるべし(撮らせてくださいという態度)。6.カメラアングルをネコの目線の高さに合わせるべし。7.顔だけでなくそのネコの「背景」も写すべし(居場所、時間、光)。8.自分なりにポイントを絞り込んでシャッターを切るべし(構図)・9.いろいろな「かわいらしさ」を見つけるべし(表情の観察)。10.結局テクニックよりすべては「ネコ様:次第(モデルとなるネコ様次第)。
「ネコ目線」で撮影するということがもっとも大事なようです。ネコは何を見ながら生きているのか、ネコは何を考えているのか、、、。岩合さんはネコの世界の探検家です。
緊急事態宣言の延長にともなって、美術館、博物館が開いたので、 「ぐるっとパス」を購入(2500円。2ヶ月有効)しました。早速、当面、以下をまわることを考えています。
- 東京都美術館「イサム・ノグチ」展(上野・予約)
- 東京都写真美術館「篠山紀信」展(恵比寿)
- PLAY! MUSEUM「酒井駒子」展(立川)
- PLAY! MUSEUM「ぐりとぐら」展(立川)
- 関口浩(新宿京王H3F)。中澤和美(六本木ヒデハレフカサクギャラリー)。佐々木悟朗(新宿ギャラリー絵馬)。岩槻せつ子(ポーラミュージアムアネックス)
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夜は八木さんの奥さんと福島さんとZOOMでミーティング。「葬儀なし、墓なし、遺灰は海にまけ」が遺言だった。
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「名言との対話」6月2日。笠原一男「人生における偉大な成功者・勝利者に共通してみらえる人間の条件は、知力と体力と長寿である」
笠原 一男(かさはら かずお、1916年6月2日 - 2006年8月19日)は、日本の歴史学者。
旧制新潟高等学校を経て1941年に東京帝国大学国史学科を卒業し、東京帝国大学史料編纂所に勤務。応召、復員し、東大史料編纂所に復帰した。1960年に助教授、1966年に教授。1977年に定年退官する。その後は放送大学教授となり1990年に退任。日本文化研究所長、庭野平和財団理事などを務める。1962年、「一向一揆の研究」により東京大学から文学博士の学位を授与される。
日本中世宗教史(鎌倉仏教)が専門で、社会経済的基盤からみた浄土真宗や本願寺の研究に取り組み、創価学会、立正佼成会など現代の新宗教にも研究を広げる。『女人往生思想の研究』は、平安時代には普通に認められた女人往生が、鎌倉時代に入ってから認められなくなったことを示した代表作である。
浄土真宗の改組・親鸞は、29歳で信心を決定。90歳に至るまでを念仏と布教にささげた。テーマは「幸せに生き、幸せに死ぬか」であった。
蓮如という人は、15歳でさびさびとしていた本願寺を再建することを決心し、70年かけて極楽浄土のようだといわれるまでに発展させ、85歳で亡くなった。「蓮如言行録」は700余ある。いくつかを挙げると、「聖教読み、つなり仏教学者で仏法を盛んにした者はいない」「なによりも親不孝の者を第一に嫌われた」「坊主、年寄り、長(おとな)に信仰をもたせたい」「自力は念仏で罪を消そうとする。他力は自分を助けてくれる姿に拝むのが南阿弥陀だ」「同じことを何回聞いても、いつもめずらしく思われ、はじめて聞いたように感ずることが信仰のうえでは必要である」、、、。蓮如の和歌には「罪深き人をたすくる法なればただ一すじに弥陀をたのめよ」などがある。永遠に生きられる極楽往生までのこの世をどのように過ごしたらよいかをあらゆる角度から説いた人だ。
真宗は「一念発起、平生業成」。生き様のままで阿弥陀仏を信じよ。十悪五逆の罪人、五障・三従の女人のみんなを助けてくれる。悪人正機。悪人とは凡夫のこと、正機とは優先。諸宗・諸法の悪口、守護・地頭のないがしろにしない。「南無阿弥陀仏」の中には、あらゆる教えと諸神、諸仏もすべて籠っているから阿弥陀一仏を頼めば一切に帰依することになる。
笠原一男は、大学入学後に「蓮如」を研究テーマに選び、卒業論文、学位論文、そして80歳で亡くなるまで60年かけてこのライフワークを研究している。蓮如は、よき師であり、よき友であった。ライフワークとしてある人を研究するということは、その人の言行が自分の磨き砂になるということだ。蓮如は笠原自身であったということになる。
(講談社学術文庫)