縁のあった人はみな幸せになってもらいたい−−−宮城大学での講義

k-hisatune2008-07-07

宮城大学での「ビジネス情報論」という講義は隔週で行っており、7月末には二日間の集中講義を行う。
本日の講義で隔週講義の部分が終了した。集中講義では一人一人にそれぞれの分野の第一人者の論説文を与えて考えてもらう予定だ。受講生が120名ほどだから120の論文を用意する。どのような図ができてくるか、楽しみだ。
2ヶ月半のこの期間を終えての受講生の反応を並べてみる。

・物事をや文章を図として考えるようになりました。講義内容を最近図でノートをとるようになりました。
・文章を読む時にいちばん重要なことを探し、そこから枝を広げるようにして理解するようになってきました。
・誰もが納得するという点で武器になり得ると思う。新聞の社説なども図解する要領で読み込み、分析するクセがついた。
・図で考えるということは、重要な部分をうまく抜き出して自分で理解することから始まるのだということに気づいた
・毎回頭をフル回転できた。
・何倍も頭を使うことなのだとわかった。
・文章と図解をもっと上手に組み合わせることができればスキルとして役に立つ。ぜひ継続していきたい。
・自分の生活に役立てたい。
・いまレポートがたまっているのですが、図解してから書くという方法で、今までより速くできるようになり、自分でも何が言いたくて書いているのかまとめやすくなり、助かっています。
・図解で考える力もだいぶついてきたと思う。この調子で頑張りたい。
・図解力が身についてきた。これから様々な分野に生かしていきたい。
・1年生のときの講義から1年たって図の威力に改めて驚かされた。レポートはもちろん、社会に出てから活かしていきたい。
・作業が多く、疲れることが多くありました。しかし充実感が残っています。
・最近、授業の課題などで自分の考えをまとめるために図を描くことが多くなった。
・この講義を受けて「図」を使うことがもっと世間に広められるべきだと強く感じた。この手法により考え方がより整理されスムーズに物事が進む。
・何を選び何を捨てるかはマネジメント上重要な部分なので、図解はマネジメントに必須ということを感じました。
・優れた図をかける人間は優れた論客になることができるのでしょうか。

3限のビジネス情報論のあとは、卒業論文の指導。
4年生が中心だが、昨年3年生から飛び級で大学院に進学した二人の院生も参加している。トヨタ自動車東北に就職する学生は自動車メーカーの環境戦略をテーマとした論文を書くことになっている。資料もそろってきたし、自分の働く業界で、なおかつ自動車関連工場の進出が宮城で話題になっていることもあって、全体構想はまとまってきた。社会人学生のテーマは職場環境の改善にかかわる分野で自らのキャリアで学んできた「癒し」の重要性を具体的な事例を使いながら提案するという論文になりそうだ。
正式には授業の受講生ではないが、ゼミ生であったから気になっている飛び級の院生たち。一人はある企業の経営者だが、その業界の進むべき方向を自社のデータを駆使しながら見つけ出していくというオリジナリティを出せる方向がいいとアドバイス。修士論文の完成にはまだ十分な時間があるし、問題意識も高いので優れた論文を完成させて欲しい。もう一人の中国からの留学生は、ある新規事業をやろうとしているが、それと地域活性化を組み合わせたテーマであればリアリティのある納得感の高い論文ができる可能性がある。こちらもまだ時間があるので時々アドバイスをしていきたい。卒業論文修士論文も夏休みの過ごし方がカギとなることを何度も強調した。学部の集中講義の最初の日(30日)の2限は彼らの論文指導をすることにしよう。そうすれば夏休み前にもう一回指導ができる。

縁のあった人はみな幸せになってもらいたいので、最後まで手を抜かずにきちんと指導していこうと思う。

縁があり私の講義を手伝ってもらっている30歳のチョウ君に地下鉄の駅まで車で送ってもらう。8月末には子供が生まれるそうだ。それぞれ生きていくのは大変だ。