「セカンドライフ探検記」を書いた「Voice」11月号の見本が届く

「新しい日本を創る提言誌」Voice11月号(PHP)の見本誌が届いた。
この号に「「セカンドライフ」探検記」という6ページの小論を書いた。
発売は10月10日。

今年の5月にブログとメルマガで仮想空間サービス「セカンドライフ」についてのエッセイを書いたら、「Voice」編集部の編集者から連絡があって、体験記を書いて欲しいという注文を受けたのがきっかけだ。この総合雑誌の読者層がは活字好きの中年世代であり、そういう層に話題のセカンドライフの世界がどのようなものかを解説して欲しいということだった。
その注文に応えるため、最後は高スペックのパソコンに買い換えるはめに陥ってしまった。

以下は小論の一部。

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最近アメリカで生まれたセカンドライフの世界に足を踏み入れて、はるか昔の大学時代に熱中したクラブ活動である探検部のことを思い出した。
このクラブは毎日集まっては「探検とは何か」というテーマでいつも議論をしていた。自分の所属するクラブの名前が議論の対象になるのかと、最初は不思議な気がしたが、この議論はいかに生きるかという議論と密接に関わりあっていて、私たち部員にとっては最も好きな議論のテーマだった。
「探検とは知的情熱の肉体的表現である」という言葉を顧問の先生から教えてもらい感激した単純な私は、それまでの書斎型人間からの脱皮を決心し、部活動にのめりこんでいった。その過程で探検という活動の意味を説明してくれる言葉に出会った。それは「外的世界の拡大は内的世界を深化させる」という言葉だった。

(中略)

バーチャル建築家からの問いかけに対していやになったことも何度もある。自由からの逃走である。「自由があったら何をしたいか」というのは、やはり根源的な問いであった。
読者はセカンドライフの世界に別荘を持つと仮定して、どんな別荘と生活を楽しみたいだろうか、想像してもらいたい。場所は海辺か山あいか? 建物の形状は? 何階建てか? 誰と住むのか? 何をするつもりか? 書斎はどのようなものにしたいか? 、、、。
現実の世界とは比較にならない価格で、自分の夢を実現できる可能性がでてきたということかも知れない。

(中略)

外的世界の拡大は内的世界を深化させる。ここでいう外的世界とは、今となればネットとウェブも、そしてそれはセカンドライフも含んでいると考えるのが自然だろう。私たちはネットとウェブという外的世界の拡大のための乗り物を手に入れた。今後、人間は一気に豊かな内的世界の探検の旅に出ることになるだろう。
脳が社会をつくり、自らの脳がつくりだしたものが脳に影響を与えていくということなら、私たちの生活も、人生も、生命も大きな変貌を遂げていくということになる。この世界を若い人だけに楽しませるのは惜しい。セカンドライフの大きな波に乗って未知なる世界を探検していきたいものである。

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