渡部恒雄「米大統領選挙の結果と今後の米国」ーー「トランプ:負けを認められない精神構造」「バイデン:いい大統領になるだろう」

リレー講座。渡部恒雄米大統領選挙の結果と今後の米国」。

世界注目のアメリカ大統領選の見方を、アメリカウオッチングの第一人者から一番ホットなタイミングで聞いた。

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・コロナ選挙だった。真っ二つに分断。トランプと反トランプ。7100万票ち7500万票。過去最高のオバマは6900万票。反マスク運動(自由の侵害)。ブラックライズマター(BLM運動)は白人も60%が支持。トランプは「法と秩序」を使えると判断。白人女性は治安に関心。エスパー長官がクビ。米軍の出動要請を拒否。OBのマチス、パウエルが発言。マスク、密などを克服できるか?

・トランプは自分の再選のためにすべてを利用(ボルトン)。公約を健気に守る人というイメージ。コロナ陰謀論、中国、民主党、、。中国との関係の悪化。精神分析医の姪っ子「国に害をなす精神障害」。父から失敗を認めない生き方を学んだ。

・トランプ「大統領の引継ぎをしない」。バイデン大統領のスタートが遅れる、トラブルに対処できない。「負けを認められない精神構造」。米国議会の行動が国民から呆れられている。

・選挙結果:NYCタイムス「不正があるか?」に全州「なし」。クビのリスト、エスパー国防長官(米軍出動)、バー司法長官(当日投票分だけを数えよ)、レーFBI長官(ロシア疑惑)、、。「負けを認めない」精神構造。民主支持が多いヒスパニックの像かなど人口動態の変化がある。トランプは1950、1960年代のノスタルジー民主党は変わっていくアメリカを体現。内向きのベクトルになっていくのはどちらも変わらない。トランプは司法取引を狙っているのではないか。訴追と借金がテーマ。

・米中関係。トランプは貿易をターゲット。バイデンは「中国は国際ルールを守れ」「同盟国との協力」「地球温暖化のパリ協定に戻る」「人権」。バイデンは外交のプロ。NATOとの関係の見直し。3・11のときに仙台沖で励ましの名スピーチをしたのがバイデン副大統領。妻と娘を交通事故で亡くしている。コロナ下「ダイニングテーブルで耐えて前に。目標が大事、自分もそうだった」。いい大統領になるだろう。

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総研ミーティング。

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夜はYAMI大学・深呼吸学部オ-プンセミナー「橘川久米対談」

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若者の街の変遷。オンライン授業の天国と地獄。コロナ生活の快適商品。追悼文・デススカフェ。デスカンファランス。英のサイエンスカフェ。新しい葬式様式。救急医療VR.BOT。有料メルマガ。塩崎恭久「真に子どもにやさしい国をめざして」。140秒書評動画(駒崎)。オタクの時代。GO TO道楽。逝く年狂う年。つまらない奴を入れない。5人づつ。今年の一字。移し替えているだけ。スミファオンライン工場ツアー。ZOOMテレビ。深夜放送。、、、。ヒント満載。途中で「図解塾」も紹介されたのでPR。

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「名言との対話」11月12日。福田みどり「僕たちは弱点で結ばれたんだから、毀れることないよ」

福田 みどり(ふくだ みどり、1929年昭和4年) - 2014年平成26年)11月12日)は、作家司馬遼太郎夫人。

司馬遼太郎の没後は、司馬遼太郎記念財団理事長に就いた。

今まで「名言との対話」で多くの人の生涯と名言を書いてきた。作家の場合、その資料は自伝や作品を読むことになる。その過程で配偶者や、子どもがその人を回顧する本を手にすることがある。作家の日常と本音がみえるので、私はできるだけ読むようにしている。

愛読している司馬遼太郎の明るい日本史を堪能してきたし、洒脱なエッセイもよく呼んできた。また東大阪司馬遼太郎記念館で時間を費やしたこともある。

今回は、『司馬さんは夢の中Ⅰ』を読んで、夫人福田みどりさんからみた司馬遼太郎を堪能した。

みどりは司馬さんは「 ヘンな人」という見方をしている。妻から見ればどんな偉人も変な人なのだろうが、みどりさんの「ヘンな人」という言葉には愛情がある。

 司馬さん。独特の透明感。道に迷っても絶対に人に尋ねない。服装に無頓着。時間の無駄。過去を振り返ることを極端に嫌った。極端な寂しがり屋。尋常ならざる風邪恐怖症。就寝ファッション。バンダナ、腕カバー、脚絆、靴下、」、、。照れるとあらぬことを口走る癖。机の引き出しのキタナイ人。冷ややか態度。記念館には透明感と清涼感がある。、、、。

1970年の仕事量についても書いている。産経「坂の上の雲」、朝日「花神」、週刊朝日「世に棲む日々」、週刊新潮「城塞」、小説新潮「覇王の家」、オール読物「話のくずかご」、、、。しかし40歳前後であった司馬本人はいらだつこともなく普通に暮らしていた。このあたりは、やはり超人的なエネルギーを感じさせる。

以下、みどりさんが「安藤忠雄さんの設計で建物の隅々まで、透明感と清涼感が漂っている」という司馬遼太郎記念館を訪ねたときの私のブログから。

「日本史を独力で書き換え、戦後の日本人に誇りと自信を植えつけた司馬遼太郎の記念館を東大阪市に訪ねたとき、自宅の玄関には「司馬遼太郎(福田)」との表札があり、みどり夫人が住んでいる裏の表札には「福田(司馬)」とあった」。

「コーヒーを飲みながら受付で買った「以下、無用のことながら」というエッセイ集を読んでいると、あの優しい眼差しの司馬遼太郎が傍らにいるような不思議な柔らかい感覚があった。そしてたしか「遼」という雑誌にあった「もっとちゃんと考えな、あかんで」(誰かに言ったことば)という声が聞こえたような気がした」。

二人は産経新聞の同僚だった。トモダチからコイビトになって、結婚してしまう結婚式も披露宴もしていない。一枚の写真もない。  「僕たちは弱点で結ばれたんだから、毀れることないよ」は、夫の司馬遼太郎の言葉だ。期待もないから期待外れもないということだろうか。こういう結婚もあるのかと少しおかしくなり、大作家に親しみを感じる。

司馬さんは夢の中〈1〉 (中公文庫)

司馬さんは夢の中〈1〉 (中公文庫)