「神田古本まつり」初日−−出版産業はずっと不調産業?

k-hisatune2009-10-27

大学で仕事を済ました後、学長室の高野課長と打ち合わせをしながら九段へ。

午後、九段サテライトで会議。以下、参加者。

学長、経営情報学部長(多摩)、グローバルスタディーズ学部長(湘南)、経営企画室長、学長室長、多摩FD委員長、多摩事務長、湘南事務長、統括監、多摩アドミッション委員長、湘南国際交流センター課長、多摩教務委員長、多摩学生支援センター長、多摩事務局長参事、多摩キャリア支援グループ係長、湘南キャリア支援グループ課長。

学長提起による大きな会議だったが、実質的な、意味のある会議となった。こういう形の会議を頻繁に開くことになった。内容は今週末の戦略会議で報告する予定。

終了後、夕方19時からの会合まで時間が空いた。もともとは新しい山種美術館で「速水御舟日本画への挑戦」を観ようと思っていたが、考えを変えて、神保町へ。

神田古本まつり」をやっていた。今年で50回というから伝統がある。神保町の古書店街で始まり、神保町交差点付近の靖国通りの歩道にかけて、300メートルにわたって提灯と書棚が並ぶ風景はいい雰囲気だ。古本を漁る人たちも熱心に見ていく。このまつりに出ている古本は、図鑑、辞書、美術本、文庫、新書、単行本など百万冊である。

ほぼ全部見てまわったが、あらゆる本があるという印象である。興味のある本が多すぎて、なかなか手を出せない。持って帰れる本を数冊買った。

「神保町が好きだ!」という小冊子をもらったので読んでみた。「神保町から出版再生を」という対談特集があり、小学館の相賀昌宏社長と岩波書店の山口昭男社長が面白い対談をしていた。相賀さんとはあるグループの仲間で、山口さんはある会合で紹介されたことがあるから、雰囲気を知っているので楽しく読んだ。

「ことさら今が不調だとは思っていません」(相賀)という笑いから始まり、山口社長も「70年代の半ばからずっと不調」と返す。

  • 既刊本の売り方がうまい出版社はうまくいっています。
  • 小学館の雑誌は70誌。そのうち黒字なのはごくわずかです。
  • 何となくですが、多くの人が本に戻っているような気配も感じます。
  • 日本の図書館は3000館。貸し出しはDVDなども含めて、6億5千万点。
  • 日本の出版物の販売部数は7億5千万冊。
  • 編集者は、著者との付き合いから始まり、あるいとあらゆることを雑誌で勉強するのです。
  • 古典を現代にあわせてもう一度普及させていくという運動はぜひやりたい。
  • 神保町シアターという映画館をつくったら、連日満席。
  • 神保町には高齢者向けのいろいろな施設を考えなきゃいけない。
  • 街全体で出版社、大学、書店、古書店が連携しないと、、。
  • 児童書は、ほかの国よりも編集的にすぐれているのは、図解と学習漫画の工夫ができることです。
  • 中国にも500点ぐらい翻訳されているいおですが、図解での説明などはかなりの評判です。
  • 大学で朝読(朝の10分間読書運動)をやることも必要かもしれません。

19時から新宿で、NPO法人知的生産の技術研究会の仲間と食事をしながら、頼まれている研修の件で相談。