「外的世界の拡大は内的世界を深化させる」ーー「個人の登場」「交流の爆発」「変化と進化で深化へ」

「外的世界の拡大は内的世界を深化させる」は、私が念頭においている生き方の指針だ。これは学生時代に身に着けた探検精神である。2020年は、新型コロナの登場で世界中がパニックに陥った年となった。生身の人間としての移動が制限され、友人・知人・家族との交流が減った。世界が止まったのだ。

一方で、リモート生活が一気に開花した年ともなった。ZOOMによって、授業も、ビジネスも、帰省も、プロジェクトも行われるようになった。リアルでなくても大きな障害はないことがわかってきた。そして驚くべきことに通勤、通学を含めた移動の時間がぽっかり空いたのだ。

一日24時間しかないという制限が撤廃された。一日数時間が人生に付加されたのだ。その時間に何をするのかが問われている。時間革命である。公人と私人の時間がほとんどだった人生に、個人の時間が突如現れたのだ。

新型コロナで外的世界の拡大は阻止されたのか。実際の移動は不便になったが、VRも含めたリモート技術によって、タテ・ヨコ・ナナメの交流がむしろ活発になった人々も多い。世代を超えた交流、業界を超えた交流が一気に爆発的に拡大している。外的世界は拡大している、そしてそれに伴って、内的世界は深化していることを私も実感している。

今年、必要に迫られてZOOMを使いこなせるようになった。授業や講演だけでなく、個人的な課題であったZOOMを使った「図解塾」を始めることができた。「図解コミュケーション全集」をつくろうとして、クラウドファンディングの世界を知った。VRの世界ものぞいた。どうやら、2020年は自分にとって新世界に入る画期的な年になったという総括ができるようだ。「外的世界の拡大は内的世界を深化させる」は生きている。拡大の方法が豊かになってきたのだ。その方法や技術の変化と進化に対応していくのが深化への道である。

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 久米信行さんの「今年の十大ニュース」で、図解塾をとりあげてもらった。

https://www.facebook.com/nobukume

【2020私の十大ニュース07 久恒啓一先生のオンライン図解塾に入門】
57歳の手習いで、何でも図解できる脳に鍛え上げるべく、図解マイスターの久恒啓一先生に入門しました。多摩大で久恒先生の人物評伝の授業を受けた際に、リアルタイムで図解メモを取る達人ぶりにシビレて、いつか私もと考えていたのです。
そのチャンスは今年訪れました。久恒先生はクラウドファンディングで全集発行を始められ、そのお礼品にセミナーを発見。即座に申し込んだのです。時節柄zoomでの開催となりましたが、毎回の課題を自分の頭で図解するのは、まさに究極の脳トレでした。
おかげさまで、メルマガのコラムや質問コーナーに活用できましたし、来年からiUで始まるビジネスケーススタディの授業でも活用できそうです。
年明けから、また久恒先生の図解塾が始まりますので、みなさんよろしければご一緒いたしましょう。きっと世界の見え方が変わり、人生も新たな展開を見せるはずです。noteでのクラファン登録で受講資格ができます。

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「名言との対話」12月30日。星新一「人生最大の楽しさと言ったら、人に模倣されることでしょうね」

星 新一(ほし しんいち、本名:星 親一1926年大正15年〉9月6日 - 1997年平成9年〉12月30日)は、日本小説家SF作家

父は星薬科大学の創立者で星製薬の創業者・星一。1948年東京大学農学部農芸化学科を卒業。大学院に進学し、坂口謹一郎のもとで農芸化学を研究する。1951年、父がの急逝で中退し経営悪化中の会社を継ぐが破綻し、会社を譲るまで処理に追われた。1963年小松左京手塚治虫らと日本SF作家クラブの創設に参加。1976年から1977年まで日本SF作家クラブ初代会長を務めた。 1983年秋に「ショート・ショート1001編」を達成した。小松左京筒井康隆と共に「御三家」と呼ばれる。

『ボッコちゃん』『ようこそ地球さん』『きまぐれロボット』などのショートショート集がある。またインターネット社会を予見した『声の網』や少年の夢をめぐるファンタジー『ブランコのむこうで』などの長編もある。父・星一の壮年期を描いた『人民は弱し 官吏は強し』、青春記を描いた『明治・父・アメリカ』、『祖父・小金井良精の記』などの伝記も発表している。

以下、星新一語録。

 「(アイデアを出すとは)多くの人の意見を集め、広く資料を調べ、とらわれない自己の判断で整理し、そこから新しい可能性をひきだすことである。具体的な世界から抽象の世界に飛び、ふたたび具体的な世界に戻りながら、せきとめられている水路を発見することなのだ」「突飛な質問、恥、笑い、というのはアイデアへの感覚なのである」「忙しく動き回りながら、深く考えることは、人間にはできない」「学問のもとは、好奇心。好奇心を育てるようにしておけば、優れた人物も、自然に育ってくる」

「できるだけ多くのものを内に秘め、一方、口数は少なく、軽々しい判断はしない。その修行が気品というものを作り上げる」「われわれが過去から受け継ぐものはペーソスで、未来に目指すべきはユーモア」「個性のある人と話すのは楽しい。しかし、それには、こちらも一つの個性を持たなければ、会話が成立しない。人生を豊かにするためには、そういった努力がいる」「わたしは失敗に終わってしまった。しかし、完成を心にえがきながら、ずっと楽しく生きてきたよ。楽しく生きてきたような気がするだけかもしれないがね。これでいいのだろう」「自分のことを気にかけてくれている人がいる。それだけで十分だ」「人が夢の世界を持っていなかったら、現実に対して何の批判もしなくなり、ただただ現実に押し流され、ずるずるとだめになってゆくだろうね。現実の世界はそれぞれの人の夢で支えられているともいえるんだよ」

「文体とは、あくまで人柄だ。ユーモアのないひとにユーモラスな文など書けるはずもなく、大まかな性格の人に神経質な文は書けない。文章技術より、自己発見のほうが先である。それだけでいい。あとは、辞書をそばに誤字を減らすよう努力し、文字を丁寧に書くように気を付ければ、文章は自然と、あなたの人柄のいい面が現れてくる」

それでは「ショートショート」とは何か。短く不思議な小説でアイデアが勝負の作品だ。サマセット・モームが「コスモポリタン」誌で試みた短い小説が話題になり、それを都筑道夫が日本に持ち込み星新一によってショートショート形式が広まった。「世の中には短く要約できないものはない」という星新一は、「ショートショートの神様」となった。雑誌『小説現代』では400字詰め原稿用紙7枚まで、雑誌『SFマガジン』ではでは5枚程度としているが、星新一には10枚程度の作品が多い。当用漢字しか用いない平易な文章、時事風俗や固有名詞、性や殺人を描かない透明感のある作風は、年齢性別国籍を問わず広い読者層、とくに小中学生の子供たちに支持されている。刊行部数は、新潮文庫だけでも3000万部に及び、今も増刷・復刊が行われている。翻訳は「ボッコちゃん」の英訳(1963)を皮切りに、旧ソ連から東欧諸国の言語、中国語、韓国語、スペイン語ベンガル語エスペラント語まで20言語以上延べ650件以上となっている世界的作家となった。

2013年から日経「星新一賞が始まった。理系的な発想に基づいたショートショート、および短篇小説を対象とした公募文学賞で、作家たちを励ましている。私は作品はきちんと読んではいないが、世田谷文学館で開催された小松左京や、筒井康隆の企画展では、星新一の名前をみかけているので親しみを感じている。

星新一公式サイト」をみつけてのぞいてみたが、今でも週1ペースでニュースが掲載されていた。2020年12月30日付(本日)で「星新一公式サイト英語版のニュースを更新しました」とのニュースをみかけた。星新一の作品は長い生命を持っている。そして父、祖父の物語も書いているように、自分一代で人生を考えていなかったように思う。星新一は今も生きているのだ。

形式の発明は創造である。それを模倣する人々が多くなるとひとつの分野を形成する。生きがいというのは自分が生きた短い時間だけにあるものではないらしい。死後も含めた長い時間を生き続けるのは人生最大の楽しみだろう。どうやら星新一の「ショートショート」は永遠の命を持ったようである。