「段取り」考

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明日から九州なので、仕事の「段取り」を考えながら過ごしました。

 「全集」第3巻の「まえがき」執筆。ブログやメルマガの仕込み。読むべき本の

の線引き。各種連絡。

「段取り」について。

佐川清段取りの出来る者が作業の進行を握り、やがては作業全般を掌握するのは成り行きというものだ」

・佐藤 忠良「段取り半分」

池波正太郎「約束も段取り・仕事も生活も段取りである。一日の生活の段取り。一ヶ月の仕事の段取り。一年の段取り。段取りと時間の関係は、二つにして一つである」

中原早苗「段取りの悪い人ね」

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夜は深呼吸学部の定例ミーティング。「パス」「レスポンス」「関係」「アンカー」「横尾忠則」、、、、。

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「名言との対話」7月31日。中原早苗「だって、シナリオがくるのよ。それをやるだけ」

中原 早苗(なかはら さなえ、1935年7月31日 - 2012年5月15日)は、女優

 東京出身。夫は映画監督の深作欣二、同じく映画監督の深作健太は長男である。

1953年の16歳の「村八分」(新藤兼人監督)デビュー以来の8年間で、日活で多い年は年間14本に出演している。1964年にフリーとなり、東映大映、松竹などの映画、またテレビドラマに多数出演。1965年に映画監督の深作欣二と結婚。

本名は宍戸早苗。芸名の「中原早苗」は、田中絹代の「中」と原節子の「原」をとって「中原」とした。因みに息子の深作健太監督の名前も、夫の深作欣二監督の映画人生で重要な高倉健の「健」と菅原文太の「太」を組み合わせたものだ。

中原早苗著・田丘広編『女優魂 中原早苗』(ワイズ出版)を読んだ。2006年から2008年にわたって行われたインタビューが土台となった自叙伝である。

このインタビューでは、監督や俳優に関するコメントも面白い。 「西村晃さん、こういうのをいい男というのよ」「今村昌平は大嫌い」「有名な清順さん。いい印象はないなあ」「赤木圭一郎がもう少し生きていたら。日活ももう少しもったかもね」「市川雷蔵さんスターらしくないスターよね」「藤山寛美さん、自然で一緒に演じてとても気持ちがいい方」、、。

夫の深作欣二については、「段取りの悪い人ね」「マイペース」「ヒット作の少ない監督だから養わなきゃいけない」などと語っている。深作欣二を男にしたのは、この妻だったのだ。

中原早苗は主役から脇役までどんな役でもこなした女優である。2001年までの48年間、女優として膨大な数の作品に登場している。この本の「出演映画作品目録」で数えてみると164本だった。1本から14本まで毎年間断なく仕事をしているのに驚いた。代表作は「村八分」「紅の翼」「学生野郎と娘たち」「狼と豚と人間」「男の顔は履歴書」など。

中原早苗という女優は、生活のためもあったが、くる仕事は何でも引き受けている。インタビューアーが細かく調べて聞くと何度も「覚えていないの」「覚えてない」という回答が返ってくる。有名男優とのラブシーンも忘れている。その都度、面白がって出演したおおらかな姿がみえる。仕事がくるから、ただこなし続けただけという姿勢が、この女優を大きくしたのだ。深作欣二監督に関する資料は、水戸市中央図書館に納めている。映画監督の夫も救われていたのだ。舞台俳優だった父と母の血を引いて女優となった中原早苗、この女優と監督の息子の深作健太は映画監督となっている。環境と血筋の重さを感じる機会となった。