蜃気楼大学「日本文明論ーー梅棹忠夫著作集の図解PJCTの発表」を3人で行います。

2月3日の蜃気楼大学(八王子の大学セミナーハウス)のNPO知研の発表1「日本文明論」ーー「梅棹忠夫著作集」図解PJCTの発表」(11時ー12時)。

①「梅棹文明学と日本」
久恒啓一NPO法人知的生産の技術研究会理事長。図解塾塾長。宮城大学名誉教授。
キャリアの前半はビジネスマン(日本航空)、後半は教育者(宮城大学多摩大学)として活動してきました。一方NPO法人知的生産の技術研究会で研鑽を積むという二刀流のキャリアの道を歩んできました。その結果、『図解の技術』(日本実業出版社)を皮切りに『図で考える人は仕事ができる』(日本経済新聞社)など200冊近い書籍を刊行。現在、『久恒啓一図解コミュニケーション全集』全10巻(8巻まで刊行済み)を刊行中。図解Web:https://www.hisatune.net/
内容
コロナ禍の数年間にZOOMで「図解塾」を月2回ほど開催してきました。2022年から2年かけて、知の巨人である国立民族学博物館初代館長・梅棹忠夫先生の『梅棹忠夫著作集』の図解講義と図解作成を実行し、100数十枚の図解がほぼ完成しました。主として「梅棹文明学」を構成している「情報史観」「生態史観」「日本研究」「地球時代」が対象です。生態学から出発し、民族学、そして比較文明学にまで視野を広げた一代の碩学の理論体系を、「全体の構造」と「部分同士の関係」を明らかにできる図解という表現手段を使って明らかにしようとするプロジェクトのエキスを紹介します。

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②図解塾で学んだ、梅棹忠夫が半世紀前に現代を予言した「情報文明学」と独自の世界観「文明の生態史観」
都築 功(ツヅキ イサオNPO法人「知的生産の技術研究会」理事
1952年生まれ。愛知県西尾市出身。大学進学とともに上京し,現在は横浜市在住。17年間都立高校で理科(生物)を教え、その後9年間教育委員会、10年間都立高校副校長を勤めて退職。退職後5年間教員研修に従事。現在は、NPO法人知的生産の技術研究会理事、国立天文台の特別客員研究員、モバイル顕微鏡を使った市民科学の推進を目指す「Life is small Project」副代表などで活動。カンボジアの生物教育の支援も行ってきたがコロナ禍で中断し、再開したいと考えている。
内容
図解塾では、梅棹忠夫の著作集をい学んできました。私たちは毎回、梅棹氏の先見性と独創性にただ驚くばかりでした。「情報の文明学」では、農業社会、工業社会を経て「情報産業社会」になると予言しています。例えば鉄道は新幹線の登場によって「人=情報」を運ぶものになったなど、ありとあらゆる産業が「情報産業」に結びつきます。しかもこれが半世紀以上前で、まさに予言です。一方、世界の歴史に目を向けると梅棹氏はユーラシアを日本とイギリスを両端とする大胆な図にまとめ、独自の生態史観を展開しています。まさに目からウロコの学びでした。

③『日本を考える』~「梅棹忠夫著作集・日本文明論」の「日本研究と地球時代」より
深谷康雄(ふかややすお)NPO法人知的生産の技術研究会 幹事
ファイナンシャル・プランナー(CFP)&キャリアコンサルタント。 東北大学法学部卒。信託銀行での資産管理や年金資金の運用などを約30年間経験した後、事業会社の人事部傘下で企業年金の運用・管理に10年間携わる。現在は、個人のライフプランやキャリアプランの大切さを確信し、個人を対象に、リタイアメントを中心とした相談・プランニングを提供(深谷康雄リタイヤメントFPオフィス)。「図解塾」「幸福塾」塾生。図解コミュニケーションによる知的生産の技術や幸福塾での知見をFPサービスに役立てるべく、学びを継続中。
内容
梅棹忠夫先生の豊富なフィールドワークから生みだされた「日本文明論」。その中から「日本研究と地球時代」を取り上げ、久恒啓一先生の図解で読み解きます。近代の大きな帝国の力が弱まり、民族ごとの意識が強くなっていった20世紀後半、独自の「日本文明」を築いてきた日本は、今後どのように世界と関わっていくべきか。日本の強みと弱みを文明生態史観の視点から俯瞰し、21世紀の現在に至っても尚 現実感のある提言に触れてみてください。

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蜃気楼大学

蜃気楼大学2024~参加型社会学会による「講義フェス」 (peraichi.com)

申し込みは、このサイトの最後にあります。

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1.3万歩。

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「名言との対話」1月14日。夏木陽介「パリ・ダカは人生によく似ている。爆発力の問題ではない。持続の問題だ」

夏木 陽介(なつき ようすけ、1936年昭和11年2月27日 - 2018年(平成30年)1月14日)は、日本の俳優、ラリードライバー。

爽やかさと野性味を兼ね備えた二枚目映画俳優として、現代アクション、戦争映画、時代劇、怪獣映画、青春映画、サラリーマン物、文芸映画、コメディと多彩な領域で活躍した。

 1965年に放送開始された日本テレビ日曜20時枠青春ドラマシリーズの第1作となった『青春とはなんだ』の主演教師・野々村健介役があたる。後に様々なバリエーションで作られる学園ドラマの魁となったこの作品は高視聴率を誇り、一気にお茶の間での知名度を上げる。翌年の主演映画『これが青春だ!』も大ヒットした。当時高校生だった私はこのテレビ番組のファンであり、主役の夏木陽介のさっそうとした教師にあこがれたものだ。

しかし夏木陽介は、たまたま縁のあった俳優稼業に没頭することはしなかった。50歳を過ぎてサハラ砂漠を疾走するパリ・ダカール・ラリーに魅入られる。1985年1986年にドライバーとしてダカール・ラリーに出場している。その後1987年から1993年までは「チーム三菱シチズン夏木」の監督として篠塚建次郎増岡浩らを出場させた。総合2位にもなっている。

『男がひとりでいる理由』(講談社)を読むと、生涯独身をとおした理由がわかる。

・自分だけの、生の情報をつかむためには、自分自身でやってみるしかない。

・楽しくなければ仕事も遊びもしたくない。

・一番の楽しみは自分と違う生き方、考え方を持った人達との出会いである。

ノーサイドの笛が鳴るまで一生懸命遊び、一生懸命働き、一生懸命生き続けたい。

パリダカは22日間という長丁場で、自分と闘いながら平常心でいられるかが勝ち負けのカギになる。それまでにどれだけ修羅場を踏んできたかが問われるのだ。技術と体力だけでは勝てない。精神力がキモになる。自分の限界に挑戦した経験の豊富さ、それを乗り越えてきた自信、それが男のプライドになり、完走と勝利を得ることになる。「男の価値は踏んできた修羅場の数に比例する」という夏木陽介は、修羅場を乗り切るためには一時の爆発力ではなく、悪環境に耐えて平常心で前に進む持続力がカギであり、このことは人生と同じだと語っているのだ。

「持続力」についての考えを深めておきたい。

  • 時間的な持続力をもった人間が例外的な偉人として珍重される。、、もしも何十年かの人生を通じて、なにごとかについての持続力をもつことができるなら、それは、とりもなおさず、「生きがい」のある人生であった、ということである加藤秀俊
  • 深く強い呼吸法と精神の集中力、持続力があって、初めて能は成立するのである観世栄夫
  • 生産力は集中力プラス持続力です。(船曳建夫
  • 幸福になるためには勇気をもって第一歩を踏み出すことが必要であり、歩みを止めずに、次の一歩を踏み出さねばならない。果てしない一歩の積み重ね、それが「歩む」ということなのだ。ほんとうに試されているのは、歩み続ける勇気である。(アドラー
  • 意思の持続力には、損得の計算を越えたにぶい、しかし堅牢な情念というものがその性格の底にある(司馬遼太郎の家康描写から)
  • 福地源一郎桜痴、この人の本質は、ジャーナリストだったと思う。新しいことにすぐに飛びつくが、持続力に欠ける体質である。

それぞれに納得感のある説明だ。それをまとめておこう。

能の観世栄夫の「精神の集中力、持続力」、東大の船曳建夫の「生産力は集中力プラス持続力です」が同じことを言っている。その持続力が、加藤秀俊のいう「生きがい」に、そしてアドラーが指摘する「幸福」につながるということだ。その失敗例が福地源一郎であり、成功例が徳川家康であり、夏木陽介である。