希望が見えた「多摩大地域活性化フォーラム」

多摩大学地域活性化フォーラムを多摩センターのパルテノン多摩で開催した。

第一部は、「企業人材育成フォーラム:志企業の創業支援と人材育成−−奇跡の人材育成から何を学ぶか」。寺島学長による特別講演「東アジアと多摩を結ぶ志企業の人材育成課題とは?」。趙准教授報告「大統領とサムスンが絶賛した地域・企業の人材育成−−長城郡の奇跡」。基調講演は張万基(チャン・マンギ)韓国人間開発研究院会長「韓国企業と自治体の活性化を支えた人材育成35年の経験をふり返る」。パネルディスカッション「志企業の人材育成とは」は、甲谷勝人サーバーシルクロード八王子会長、金美徳教授、浜田正幸准教授、趙准教授。

第二部は、「地域活性化人材育成フォーラム:世代をつなぐ地域人材とは?−−創業と新規参入を促進する地域活性化システムを考える」。青木内閣官房地域活性化統合事務局参事官「国が考える地域活性化システム論」。学生活動報告は、北辻巧多郎・岡俊輔・田中優希。パネルディスカッション「世代間連携を促進する地域活性化人材像とは」。青木参事官、梅澤佳子准教授、中庭光彦多摩大総研准教授、北辻、岡、田中、コーディネーターは松本多摩大総研准教授。第一部、第二部とも開会挨拶は諸橋学部長。

304人のホールで、290人の参加者。一般人は50名ほど。NPOのリーダー、多多摩市役所、多摩信用金庫北九州市役所、地元企業、稲城市、多摩市、八王子市の市民などが参加。

私は第一部、第二部とも「閉会の言葉」を担当した。以下、挨拶の内容。

第一部では、

  • プロジェクターでうつしっぱなしになっている「多摩大鳥瞰図絵」を見ながら多摩中心主義による世界観を紹介し、東京と富士山の間、秩父と横浜の間を大多摩と名付けてここを多摩大のフィールドとすることを説明。
  • 「現代の志塾」という教育理念のもとに志入試、志教育を経て、多摩地区を中心とした先端的優良企業である志企業への就職をして、アジア・ユーラシア大陸で活躍するという戦略を説明。
  • 寺島学長はグローカリティにおいて、大学は技術と人材で貢献できると指摘したが、今回のフォーラムは地域人材の育成に焦点をあてたものであり、今後の方向感やヒントを得るのが目的であることを説明。
  • 韓国において地域人材の育成に成功した張会長からは、松下幸之助に韓国が学んだこと、日本の陽明学に範をとったことなどをお話しいただき、人材育成の答えは、すでに日本にあることが示唆された。多摩学を中心に日本探検が必要であることを理解したと総括した。

第二部では、

  • 最後の学生中心のパネルディスカッションが素晴らしかったこと
  • 地域活性化の方法論では、社会的合意形成の方法論がテーマになっていること、説得型のプロジェクトから納得型の運営が求められていること
  • 地域活性化の推力は、多くの関係者が使った「志」であること。社会の不条理の解決に参画することであること。志がキーワードであること。
  • 地域人材の育成にあたっては、学生達が現場での具体的なプロジェクトにかかわること、問題解決の最前線に投入することが教育効果が高いこと、プロジェクトの積み重ねが重要であること確認できたこと。
  • 多摩人材の育成のために、学生教育のフィールドを大多摩にしていくので地域の方にはぜひ協力を願いたい、そして大学として積極的に地域と連携していきたい

このフォーラムは全体として大成功に終わったと思うが、特に地域プロジェクトにかかわった多摩大の学生リーダー達のパネルディスカッションでの発言は、キーワードの連続で会場を魅了した。多摩大が進めようとしている「プロジェクト型学習」の効果を全員で確認でき、このような教育の現場にいることに喜びを感じた。これは参加した教職員全員の思いだろう。