新著「30代からの人生戦略は「図」で考える!」の見本が届く

新著の見本が届く。

タイトル:30代からの人生戦略は「図」で考える!
出版社:PHP研究所  価格:1400円 254ページ 12月13日発刊
http://www.amazon.co.jp/30%E4%BB%A3%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AE%E4%BA%BA%E7%94%9F%E6%88%A6%E7%95%A5%E3%81%AF%E3%80%8C%E5%9B%B3%E3%80%8D%E3%81%A7%E8%80%83%E3%81%88%E3%82%8B-%E4%B9%85%E6%81%92-%E5%95%93%E4%B8%80/dp/4569809197/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1354828020&sr=8-1

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以下、「まえがき」。

いつの間にか私の職業人生も40年、そして共著から始まった著作人生も30年になった。
この間、私の最大の関心は、自分の人生をどのように生きるか、であった。このため、20代はやみくもに行き当たりばったりで突き進んでいたのだが、30歳になって、ようやく等身大の小さな自分がわかり、やむなく腰を落ち着けて目の前の与えられた小さな仕事に取り組まざるを得なくなった。また、この頃、「知的生産の技術」研究会というビジネスマンの勉強会に参加し活動を始めた。
この頃、私は人生30年計画を立てている。今から見ると、茫洋としたつかみどころのない計画であったが、これがきっかけとなって、その後、毎年の計画を正月に書くようになり、年末には○△×で総括をするという習慣が始まり、結果として30年以上続いている。

この間「人生」というつかみどころにないものを常に意識する毎日だったともいえるかもしれない。それはまさにライフコンシャス・ライフであった。
このような計画をある時期に立てた人は多いだろうが、それをずっと続けた人は少ないのではないかと思う。
この数十年の過程で、「人生戦略」というアンテナで、セミナーなどを含め多くの名のある人の生き方を参考にし、また過去の偉人の足跡にも多くの示唆を受けた。
40歳から本格的に始めた著作活動でも、仕事や人生ということを底流にしたものが多くなった。そうした活動の中で、キャリアを巡る考え方が形になってきたし、キャリア開発の資格制度の創設まで手掛けるようになった。
この長い間の知見を30代の若いビジネスマン向けてまとめるという機会を得たのがこの本である。
単なる個人の人生論ではなく、全体の構造と部分同士の関係を表すことができる「図」という私自身の独特の武器を使って、人生戦略を立てる道筋を、見晴らしの良い人生鳥瞰図という形で体系的に示すことができたのではないだろうか。

プロゴルファーの片山晋吾は2008年に35歳でメジャー大会の日本オープンで優勝し、史上7人目の永久シード権を獲得している。このときの新聞記事に「前週、自宅の引き出しに眠っていた古びたノートを引っ張り出した。まだ1勝もしていなかった当時(25歳)の自分は「35歳で25勝する」と書いていた、とある。
片山はゴルフ人生という長いスパンの中で到達目標を頭に描きそれをノートに書きだして、その上で毎週のツアーに挑戦し、毎日の練習をこなすということをやってきたというわけだ。こういう到達目標は、事前に明らかにするというわけにはいかないから、達成した日に、天下に公表するということだろう。片山の25歳から35歳までの過ごし方には、成功する人の普遍性が備わっている。
「蛍川」「優駿」「骸骨ビルの庭」「水のかたち」などの小説で有名な作家・宮本輝は、1947年生れで今年65歳になった。この人も2012年に雑誌のインタビューで、85歳まで後20年小説を書き続けたいと語っていた。ある人に35歳の時に「1年二本ずつ50年書くと生涯百篇の長編小説が書ける。純文学で世界一」と言われて、質はともかく量で世界一になろうと決心してたという。この作家は、その目標をやり遂げるだろう。
スポーツ界、文筆界とフィールドは違うが、どちらも人生戦略を描いてそれを実現しつつある姿に感銘を受ける。35歳という年齢が転機になっているのは興味深い。

さて、「人生」という言葉は何か漠然とした感じがつきまとう。茫洋としてつかみどころがない。人生にはいつまでも続いていくというニュアンスがある。
「生涯」という言葉はどうだろうか。
私たちは断崖絶壁の突端に強い風を受けながら立っている。涯とは、涯(は)てのことである。この断崖は時間とともに前に進んで行く。そしてある日突然、寿命が尽きると私たちは海の中へまっさかさまに落ちていく。確実な明日というものはない。だから、私たちは今日のこの日をしっかりと生きなければならないのだ。生涯という言葉には、切羽詰まった、差し迫った、何かがある。
私は「今日も生涯の一日なり」を座右の銘にしており、毎日書いているブログのタイトルにしている。このブログもこの本が出る頃には連続記入が3000日を超えているはずだ。そして毎朝起きるとtwitterでこの言葉をつぶやいているが、今日も大切に生きようという意識が立ち上ってくるのを実感している。
人生というものは後から振り返るものである。私たちは、強い風を受ける断崖の突端の涯てに立って、自分らしい生涯を送っていきたいものである。

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