多摩大インターネット放送局で「久恒啓一の『名言との対話』」を開始

昨年、T-Studioというスタジオを学内につくった。
「多摩大インターネット放送局」の活動がしだいに形を為成しつつある。
「FM多摩」の復興を目指している。
http://www.tama.ac.jp/t-studio/index.html

ここで、番組を持つことになった。
タイトルは、久恒啓一の「名言との対話」。
最初のリハーサルがアップされた。ナビゲーターは私で、アシスタントは2年生の荒井さん。
12分。
トライアルだったので、声の大きさ、相方とのやりとり、映像のアップがないなどの反省点が確認できた。
http://www.tama.ac.jp/t-studio/hisatune/index.html

次回は明日に収録。「関東大震災」をテーマとすることになっている。
取り上げるのは、渋沢栄一後藤新平与謝野晶子、堀文子。
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オーディブル:松本清張菊池寛の文学」。

  • 貧乏と醜男。生活の実体験から生まれた文学として評価。自分と境遇が似ている。漱石・芥川などは机上の文学、理屈の文学。むしろ鴎外への好感。
  • 菊池寛、鴎外などの本質の分析に納得する名講演。
  • 学生時代に小林秀雄などが受けた菊池寛からの好意に対する感謝を述べていることなどが腑に落ちる。

「名言との対話」5月10日。葛飾北斎

  • 「俺が70になる前に描いたものなんぞ、取るに足らねぇもんばかりだ。73を越えてようやく、禽獣虫魚の骨格、草木の出生がわかったような気がする。だから精々、長生きして、80を迎えたら益々画業が進み、90にして奥意を極める。ま、神妙に達するのは100歳あたりだろうな。百有十歳にでもなってみろ。筆で描いた一点一画がまさに生けるがごとくになるだろうよ」
    • 江戸後期の浮世絵師。葛飾派の祖。勝川春章に師事して役者絵、美人画、絵本、さし絵などを描き、さらに狩野派、土佐派、琳派や、中国風、洋風の画法を修める。人間や自然を厳しく探求し、構成的で力強く、動きのある筆法により、人物画や風景版画に独自の画境を達成。その影響はフランスの印象派にまで及んだ。代表作「北斎漫画」「富嶽三十六景」「千絵の海」など。宝暦一〇〜嘉永二年(一七六〇〜一八四九)。5月10日、寂す。
    • 「この世は円と線でできている」「来た仕事は断るんじゃねえ」「たとえ三流の玄人でも、一流の素人に勝る」
    • 大胆な構図を得意とした北斎に対し、「江戸のカメラマン」と呼ばれた広重は写生的な作風だ。北斎と広重という二人のライバルは、作風、画名の考え方、生活のレベル、主観と客観、弟子の多少、死への考え方など、対照的な人生を送っている。広重は37歳年下で61歳で死去。北斎は90歳。
    • 北斎が代表作「富嶽三十六景」に取り組み完成し大評判をとったのは、大病が癒えて後の70歳を過ぎてからだった。「毎日、獅子図を描くのを日課にしている。毎日、描く、これが大事なのだ」と北斎は語り実行した。一つの道に精進する人にとって、長寿には大きな意味があることがわかる。