「図解塾」3期、皆さん完走ですーー個性・対話・ひらめき・関係・着々、、、。

夜は「図解塾」。今期は「千本ノックと図解思考による問題解決学」を試してみました。反応もよく、私も楽しめたので、1月からの来期もこのスタイルを中心にやってみることにしましょう。

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  • 本日もありがとうございました。毎回、たくさんの刺激や気付きをいただいています。コーヒー会社の営業の課題は、面白かったですね。叱咤激励する上司、課題を抱える社員に寄り添う上司、などなど一人一人の個性がよく出ていました。また、最初に紹介された「名言との対話」のために本をどさっと購入されて準備さいておられる話とか、毎日のいろんなソースからの「幸福論」とか、最後の私の本棚アプリとか、とても参考になりました。退職して時間はたっぷりあるはずなのに、いくら時間があっても足りないようなあせりに似た気持ちにもなります。来年もよろしくお願いします。
  • 久恒先生、みなさま。図解塾三期、完走お疲れ様でした。今期は、図解千本ノック、と題して、その場で簡易な図解をやってみるという課題が中心でした。宿題形式の場合のみなさんの経験と熱量が溢れ出している、熱の入った図解も味わい深かったですが、その場でやることで、個性がじわっと滲み出てくるみなさまの図解が何より素敵で貴重でした。どこに主眼を置くか、何を訴えたいか、どこが気になるかなどで自分にないモノゴトが明らかになります。図解は多様性を可視化する対話を生み出す技術であり、ツールだなと実感します。一人でやるのではなく、みんなで同じものを図解して見せ合うとういう機会はないので、それだけで貴重な有難い時間、でした。そして、図解に触れて、繰り出される久恒先生の敷衍的なコメントの、魔術的な奥底の見えなさが、なんともいえない味わい深さでした。改めて御礼申し上げます。引き続き、よろしくお願いいたします。次期は、過去参加された方は、各回の単発参加でも、参加できると、ジャムセッション的で、よりダイナミクスが増すかと思います。楽しみにしております。改めて、御礼申し上げます。
  • 本日もありがとうございました。幸福について先生の1週間の書き留めたことのお話を聞き、ブクログのご紹介もいただきました。本は読んだら読みっぱなしなので、どこかでためておくとよいとは思いますが、3日坊主ばかりです。まずは、幸福についてや読書メモ、何事も、続けることが大切ですね。とにかくどこかに残すことが大事ですね。図解の千本ノックの方は、何をメインにしようかとイメージがわいてくると図解が進んでいくのですが、そのひらめきが大切ですね。描いていると図が膨らんできて、ごちゃごちゃになってしまいます。時間が無くなってくるので、最初から書き直すか、消しゴム使うかで悩みました。皆様の図解はそれぞれで、個性が出ますね。それもまた楽しみです。また、次回もどうぞよろしくお願いいたします。
  • 久恒先生、今日もありがとうございました。図解で問題解決の練習は前回より少し、自分の視野が広がったかなと感じました。みなさんの問題解決へのアプローチも個性が出ていてとても参考になりました。部下に内省させるアプローチもいろいろな立ち位置からコミュニケーションを取れることがイメージできました。来月からの図解塾でも問題解決への活用の練習が組み込まれるとのこと、大変楽しみです。
  • 久恒先生、皆様、本日もお疲れ様でした。今回は「会社内あるある」な2つの課題解決について図解に取り組みました。ひとつ目はベテランのノウハウ伝授、ふたつ目は成績不振に悩む若手を指導するメンターからの提案という内容でした。一つ目はいわゆる「3本柱」のもので、箇条書きの罠が…。しかし研鑽を重ねた塾生の皆様は全員これに「はまる」事無く、課題文中の数ある要因たちの関係性が〇・□・棒線で見事に結ばれた成果物ばかり。一方、図のレイアウトについては塾生夫々の主張が反映されバラエティに富んでおり、先生より「遂行後の2回目の図」はもっと良くなる」とのコメントを頂戴し塾生全体のポテンシャルアップを実感した次第です。二つ目は「仕事の悩み」を表した、無数の「ネガティブな言葉たち」との対峙で面喰いそうでしたが、グループ分けして解法へ誘導する構成で作図しました。社業におきましても、とかく賛成/反対双方が対峙するガチな討議の場において、①参加者全てpost itに意見を書かせる、②模造紙に貼り付けた①を全員で読み質問応酬~理解する、③post itをグループ分けする。参加者達はいつの間にかノリノリで、その後の対策・責任分担決め迄を一気に合意形成していくというシナリオで、今回におきましても出来た図を見せるというよりも「相手と作る」というイメージで作図しました。塾生皆様の成果物が紹介され、先生からは「様々な見方でいろいろなスタイルの図が見れた」との総評を頂き、こちらも全体的なレベルアップが着々と進行している様を実感でき、本日の大きな成果であったと思いました。幸福塾日程も固まり、次年も新たな脳汗カク様々な課題に出会える事を楽しみにしております。ありがとうございました。次回も宜しくお願いい致します。
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インタビューの5人目のラフ原稿も終わる。

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今日のヒント。森茉莉。『幸福はただ私の部屋の中だけに』(ちくま文庫

「何か書くようになったことは、私をずいぶん幸福にしたようだ」

(夫と離婚し、父・鴎外の印税期間が切れて、50歳を過ぎて物書きになった人)

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「名言との対話」12月15日。谷川俊太郎「私の物差しは大きい 二十億光年よりもっと遠く」。

谷川 俊太郎(たにかわ しゅんたろう、1931年(昭和6年)12月15日 - )は、日本の詩人、翻訳家、絵本作家、脚本家。

東京都出身。現在の東京都立豊多摩高等学校を卒業。18歳、1950年父に渡したノートに書かれた詩を三好達治が認め、20歳で第一詩集『二十億光年の孤独』(創元社)を刊行。1952年に第一詩集『20億光年の孤独』を刊行。詩作のほか、絵本、エッセイ、翻訳、脚本、作詞など幅広く作品を発表している。近年では誌を釣るiPhoneアプリ『谷川』や、メールマガジン、郵便で詩を送る『ポエメール』など、詩の可能性を広げる新たな試みにも挑戦している。

2018年2月、初台の東京オペラシティアートギャラリーで開催中の「谷川俊太郎展」をのぞいた。若い男女が多い展覧会だった。『詩人なんて呼ばれて』(新潮社)と『二十億光年の孤独』(集英社文庫)を購入。読了した『詩人なんて呼ばれて』は『ひみつの王国 評伝 石井桃子』を書いた読売新聞編集委員の尾崎真理子が3年越しのロングインタビューで書いた労作だ。

18歳で書いた詩「二十億光年の孤独」以降、70年近く谷川俊太郎の詩は、広く長く広がってきた。浸透力には驚かされる。現在の日本に詩を書いて食っている人は谷川俊太郎だけだ。詩の王は、「白秋、朔太郎、俊太郎」ということになる。

父・徹三(法政大学総長)の葬儀で友人の阿川弘之は「先生の生涯の最高傑作、教育者谷川徹三の最大の成果は、令息俊太郎さんの詩であり詩人谷川俊太郎其の人ではあり、ませんか」と弔辞を読んだ。

創作した詩は2500点を超える。詩集は20ヶ国以上70冊を超える海外翻訳。児童書は30冊。「コアは読者は3000人くらいはいるんじゃないかな」。詩集、散文、絵本、童話、翻訳、伽宇本、作詞、写真、ビデオ、、。1983年、52歳『日々の地図』で読売文学賞、1993年、62歳『世間知ラズ』で第一回萩原朔太郎賞、2010年、79歳『トロムソコラージュ』で第一回鮎川信夫賞。

23歳、岸田衿子。26歳、大久保知子。59歳、佐野洋子。3度結婚している。:武満徹寺山修司石原慎太郎大岡信。、など友人も多い。

「詩というのは俯瞰して、上からいっぺんに「今」を見ようとする。そうすると曼荼羅という意識が出てくる。曼荼羅というのは全世界を一枚の図にしたものだけど、結局、曼荼羅のすみっこみたいな、それが詩じゃないかな、と」。

「瞬間をフリーズさせるという意味で、写真と詩は非常によく似たところがあるんです。、、僕は写真に詩をつけるという仕事に、いまだに飽きないんですけどね」

「でも死をネガティブなものではなくて、肯定的にとらえる気持ちも膨らんできている。たのしみに待ちかまえようと」

谷川自身の「自己紹介」が面白い。「私は背の低い禿頭の老人です もう半世紀以上のあいだ 名詞や動詞や助詞や形容詞や疑問符など 言葉どもに揉まれながら暮らしてきましたから どちらかと言うと無言を好みます、、、、私の書く言葉には値段がつくことがあります」。

「あかんぼがいる」:いつもの新年とどこかちがうと思ったら 今年はあかんぼうがいる、、、、あかんぼよ お前さんは何になるのか 妖女になるのか貞女になるのか それとも烈女になるのか天女になるのか どれも今ははやらない だがお前さんもいつかは婆さんになるそれは信じられぬほどすばらしいこと  、、、、そのちっちゃなおっぱいがふくらんで まあるくなってぴちぴちになって やがてゆっくりしぼむまで」

1990年代は谷川俊太郎の「沈黙の10年」だった。だが、自作の詩を朗読する催しを全国で行っていた。1997年秋には九州から北海道まで二ヶ月かけて息子賢作のバンドと組んでコンサートツアーを行っている。宮城県図書館の広場で谷川俊太郎の詩の朗読会が催されたことがあった。私は参加できなかったが、その頃のことだったのか。

「 長い間一緒に暮らして、その間に芽生える感情こそが「愛」で、そのことの方が恋愛よりもずっと大事」。注文があることはすごく大事だ。他者から求められているってことは本当に幸せなことだ」。「フェルメールは詩に近く、レンブラントは散文に近い印象」(ユリイカ誌(青土社)「フェルメール特集」2008年8月号)

数日前に谷川俊太郎『幸せについて』(ナナロク社)を読んだ。

  • 幸せの継続は生きる力をもたらすから、日々の暮らしを無理なく快適にするのも基本的に大事だと僕は思う
  • 長続きする幸せは平凡な幸せだ。言葉を変えるとドラマチックな幸せは長続きしないからこそ濃い、BGMみたいな幸せが、一番確実な幸せかもしれない。
  • 幸せはささやかで良い、不幸はいつだって細やかじゃすまないんだから。
  • 幸せになることよりも、幸せであり続けることの方が難しい。
  • 目の前になくても、その人がいると思うだけで幸せになれる、そんな「その人」がいるのは幸せだ。
  • 愛されているのは最高の幸せだけど、もしかすると愛されていなくても愛している幸せの方が、もっとずっと深く長く人を支えるかもしれない。
  • 自分が機嫌がいいと幸せだし、他人の機嫌がいいのを見るのも幸せだから、機嫌をバカにしちゃいけないなと思う。
  • 幸せには退屈と言う一面がある。
  • 大きな幸せより深い幸せ!
  • 幸運は神頼み、幸福は自分頼みなんだよね。
  • 幸という漢字は手にはめる手枷の形から来ていて、たまたま手枷を外されるという思いがけない幸運つまり「僥倖」がもともとの意味だったらしい。
  • 幸せについて語る言葉は掃いて捨てるほどありますが、どれも明快なものではありません。幸せという美しい蝶は、ピンでとめて標本にすることができないもののようです。

「詩というのは俯瞰して、上からいっぺんに「今」を見ようとする」と詩の本質を説明しています。そして、全世界を1枚の図にあらわす「曼荼羅のすみっこみたいな、それが詩じゃないか」。

視界は曼荼羅の宇宙。時間の物差しは20億光年。「白秋、朔太郎、俊太郎」と称される日本近代詩史の最高峰と同時代に生きていることを幸せに思う。谷川俊太郎は本日の誕生日で90歳の卒寿を迎えた。

 

幸せについて

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