「幸福塾」ーー本日のテーマは「私人」ー家族・家庭・夫婦

大学セミナーハウスから戻って、夜の「幸福塾」の準備。

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「幸福塾」。「私人」の2回目。

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  文化勲章:上村敦之。松本白櫻。山勢松韻。榊裕之。

  文化功労者加藤一二三吉田和子。伊賀健一。辻原登松任谷由実

  「功なり名を遂げた」人たちは、全員が「今から」という趣旨の発言・

本日のテーマは「家族・家庭・夫婦」。次回から「個人」に入る。

吉川英治はしだのりひこ村岡花子熊井啓谷川俊太郎中坊公平桂三木助江藤淳。柳兼子。佐藤愛子伊藤整小倉昌男堤康次郎トルストイドストエフスキー小沢昭一

以下、塾生の学び。

  • 本日もありがとうございました。今回はまず、先日発表された文化勲章文化功労者の受賞者のコメントについて紹介がありました。 長きにわたり活躍されてきた方々なのに、まだまだ道半ばだということを意識され、死ぬまで続けたいという熱意溢れるコメントに圧倒されました。次に今回のテーマ「私人」の視点から見た幸福論の2回目で、16人の方の「家庭」についての名言をご紹介いただきました。日々向き合う夫婦や家族への思いは、組合せの違いもあって千差万別。仕事面で素晴らしい結果を出した人が必ずしも幸福な家庭にいたわけではないということを知り、人間って奥深い存在だなぁと改めて思いました。最後に、垣内さんから中村哲氏の紹介がありました。絵本にもなっているほど有名な方ですが、その活動について図解でご説明いただいたので、人物像がより捉えやすく、ご自身の家族だけでなく、アフガニスタンのみなさんへの愛情の深さを改めて知ることができました。今回の講座では、家族の存在によってそれ以外の人への接し方に影響が出る、そんな当たり前のことを改めて考えるきっかけになりました。ありがとうございました。
  • 本日もありがとうございました。家庭という視点で十数名の仕事と幸福について知ることができました。はしだのりひこは高校生の頃から「風」や「花嫁」など親しんできましたが、病気の妻を支えるため主夫になっていたことは初めて知りました。「家庭にトラブルがある人はよい仕事ができません」という熊井啓の言葉や、「私は太陽電池で動いており、妻が私のお母さんなのだ」という中坊公平の言葉など、家庭や夫婦の関係が安定した仕事のために大切だと改めて教えてくれる例があると思えば、一方では小倉昌男のようにビジネスでは大成功しても家庭では妻と娘との関係に懊悩する例もあり、本当に様々だと改めて思いました。80歳で家出してのたれ死んだトルストイの生涯も強烈ですね。様々なエピソードを興味深く聴きました。垣内さんの仲村哲氏の生き方のパネルもたいへんよかったです。中村哲さんがいか家族思いであったかを知ることができました。ありがとうございました。
  • 久恒先生、皆様、本日の幸福塾ありがとうございました。「私人」の二回目で、「家庭」について、様々な方の名言を通して、夫婦や家族について考えたり、共有する時間を持つことができ、理解を深めることができました。特に印象に残った谷川俊太郎の「長い間暮らしてきて、その間に芽生える感情こそが「愛」で、そのことの方が恋愛よりずっと大事」という言葉です。毎日の生活の中で少しずつ芽生えること感情が大切であることを改めて考えさせられました。またドフエストキーの「家庭の不幸は、どんなときもひとつではすまないものである」あると言う名言も、家庭が仲たがいしていたり、うまくいかなかったら、健康を害したり、仕事や周囲にも影響を及ぼすこともあると考えられるので共感できました。今日、聞いた名言を大切にして毎日を過ごしていこうと思います。
     垣内さんのアフガニスタンで貢献された中村先生のお話は心に響くものがありました。現地の人と一緒に砂漠に水を引くことで広大な砂漠が緑豊かな地帯にする活動に全身全霊でとりくまれ、アフガニスタンの人々に心から尊敬され、人柄や素晴らしい活動に深く感銘いたしました。垣内さんが中村先生を分かりやすい図解により説明してくださり、理解が深まりました。中村先生が家族思いで家族を大切にされていたこともわかり、今回の「家庭」をテーマにふさわしい内容でした。人生の土台である家族から、幸福についてゆっくりと学ぶことができたことに感謝しています。
  • 久恒先生、本日の幸福塾をありがとうございました。私人の家族編、お話を伺っていて不思議なことに温かな気持ちになりました。一番印象的だったのは、谷川俊太郎の「長い間一緒に暮らして、その間芽生える感情こそが「愛」・・・」でした。子供の頃は、親と衝突ばかりしていましたが、今ではそんなこともなく、穏やかな関係性であるのは、時間をかけていく中で「愛」が培われていったのではないかと、思った次第です。また、佐藤愛子の「愛は積み重ねて昇華していくもの」も、昇華した先にあるものはなんだろうなぁと、思いを馳せました。昇華された何かに包み込まれ、結果として持続性のある幸せの中にいることになるのかなと、勝手に想像しました。 もし、ご縁に恵まれることがあったら、感謝の気持ちで互いに関係性を積み重ねていきたいと思った次第です。
  • 久恒先生、みなさま、本日の幸福塾ありがとうございました。今回は「私人」の「家庭」について。まず、吉川英治の 「夫婦の成功は、人生の勝利です」 という言葉は  夫婦・家族の円満な様子がそのまま伝わってくる言葉で、歯切れよく、とても良いと思いました、また熊井啓の「家庭にトラブルがある人は良い仕事ができません」というのは、まったくその通りと感じます。中坊公平の「私は太陽電池で動いており、妻が私のお日さんなのだ」という言葉からは、明るく楽しい家庭を想像しました。六代目桂三木助の「恋女房を持つ三木助にして、似合いの夫婦になれたのは20年である」は、味わい深く、江藤淳の「そうか、君はもういないのか」は、心に染みるものがありました。佐藤愛子の「愛と恋は違う。愛は積み重ねて昇華していくものだけれど、恋は燃え上がってやがては灰になっていくものだ」は、なるほどと思い、伊藤整の「家庭という宝物は壊れて失われる時に、はじめてその真の価値を当事者に認識させる」などは、そうかもしれない、と思いました。ほかにも先人の「家庭」への思いが、いろいろな言葉で表現されていて、100の家庭があれば100の思いがあるものと感じました。ありがとうございました。
  • 本日もありがとうございました。文化勲章受章者と、文化功労者の方々の、「今からもやっていく」、「これからもやることがある」という、まだ前に進んでいる言葉は、素晴らしいです。自分も何か言えるよう日々過ごしていきたいと思いました。本日は「私人」の2回目。主に家庭について、お話を聞きました。村岡花子さんの、「自分がいなくなった後で、子どもたちから“良いお母さんだった”としみじみ思われるような一生を送れば母として最も幸福なことでありましょう」は、その通りだなぁ。そうなりたいなぁ。としみじみ思いました。谷川俊太郎さん、桂三木助さんの言葉も、本当にそうですね。あまり言葉にしてこなかったことを、今日紹介してくださった方々が教えてくれたような講義でした。安心できる場所があると、公人、個人、私人として、活動できるのだと思います。次回は個人ですね。どうぞよろしくお願いいたします。
  • 久恒先生、皆様、本日もおつかれさまです。10月16日のサンデーモーニングでは「今週の一枚」と題して医師中村哲さんを記念するモニュメント落成の写真が紹介されました。皆さんご存じの通り、中村さんは2019年12月4日アフガニスタン・ジャララバードで銃撃に遭い73年の生涯を閉じたのですが、それまでの氏の功績を称える現地の人々の意思で建てられたとの事。偶像崇拝を禁じ、生活様式は勿論、ものの考え方が日本人とは全く違うであろう彼らが何故そこまでしたのか、背景に興味が湧きました。中村さん自らがユンボを操り、灌漑用水路建設の先頭に立ち奮闘。完成して十年、砂漠状態だったその地域は一面の麦畑に姿を変えたという話は既にTV等で有名ですが、それはもともと「人道支援」ではなく、飢餓と劣悪な衛生環境から多くの子供たちが病気で死んでいくのを目の当たりにした医師としての緊急行動(医療行為)だったそう。未憎悪の大干ばつに襲われたそのころ、9.11テロの報復で米軍が侵攻。そのような混乱期でも中村さんは現地に留まり仕事を続け、ついに2010年用水路が完成。中村さんは現地市民から「真の模範」として尊敬される英雄的存在となったそう。偉業を成した中村さんの『倖せの構造』は果たしてどのようなカタチか?結果、軽く情報を集めただけでも「公人」「私人」「個人」が混然一体、見事に調和していることがわかりました。①日本で留守を守った家族(子を5人もうけた)、長男との2世帯住宅で孫と遊ぶ休暇、普段は遠く離れても父の思いを受け止め、自らから行動する子供達…家庭を愛する「私人の領域」(家族の団結)、②もともと登山、昆虫採集が趣味で登山隊の医療スタッフとして初めて現地へ赴いた際、僻地医療の厳しい現実を目の当たりにした。また後年次男を難病で亡くした経験…医師として父としての無力感から突き動かされた「個人の領域」(俺以外に誰が…使命感)、これらを原資に③医療派遣から30年間にわたる現地での活動継続から築き上げた自分の仕事「公人の領域」。そして、三者を緩むことなく強く結びつける心構え(真摯)。これらにより、現地市民からの絶大なる尊敬を集める存在(信頼)となり「ライフワーク」「ネットワーク」が見事に構築された「構造」が出来上がりました。志半ばの非業の最後でさぞかし無念だったろうと思う一方で、氏の背中を見て成長した周囲の人々との「倖せの構造」はどんな暴力にも屈しない強い力となって今後も現地の人々を守り続けていくだろうと確信した次第です。大きな収穫となりましたので、今回も幸福塾予習としてupさせて頂きます、宜しくお願い致します。

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寺島さんから電話。京都での山折哲夫さんとの対談を終えた新幹線の中からだった。島園進さんとの対談も終えている。宗教界の大御所との対談である。他に、いくつか近況を交換。

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「名言との対話」10月26日。ナポレオン・ヒル「か富を分かち与えると、よりいっそう多くの富を得る」

オリバー・ナポレオン・ヒル(Oliver Napoleon Hill [ˈɑːlɪvɚ nəˈpoʊliən hɪl]1883年10月26日 - 1970年11月8日)は、アメリカ合衆国自己啓発作家

アメリカ・バージニア州出身。1908年、新聞記者時代に鉄鋼王・アンドリュー・カーネギーのインタビューし、成功哲学の体型化を頼まれ、受け入れる。70歳を超えていたカーネギーは、成功にも法則があり、失敗にも法則があり、その法則が体系化できれば、無駄な労力や時間が省かれて、社会に大きなプラスになると考えており、その事業を完成させられる若者にヒルを指名したのだ。この事業は無償で推進してほしいという要請だった。

カーネギーの協力もあり、成功者500名以上にインタビューする。20年後、1928年に『思考は現実化する』を刊行。そしてこれを成功プログラムとして、さらに完成へ向けて努力していく。

この間、ウッドロー・ウィルソン大統領の広報担当補佐官やグランクリン・ルーズベルト大統領の顧問官を歴任した。全政界で7000万部を売り上げた『思考は現実化する』、この成功プログラムの成功、多数の講演活動によって、ナポレオン・ヒルは大富豪になっていった。

カーネギーの要請に即答し、20年間無償で、成功者のインタビューを継続したことが、ナポレオン・ヒルの成功の秘訣である。こういうことを実行に移す若者はいない。

現在ではナポレオン・ヒルの成功プログラムは洗練され、彼が1970年に亡くなった後、1988年には日本語版も完成している。この時期にブームとなった記憶が私にもある。

ナポレオン・ヒル『成功者哲学』を読んだ。以下、そこからの学び。

賢い継母は彼をみて「この子に必要なことは、何かはっきりした目標なのよ」と父と本人に語りかけた。それが彼を立ち直らせた。

そして運命の出会いのカーネギーへのインタビューは3日3晩続いた。そのインタビューを終えて、カーネギーは成功の秘訣に関する哲学の体系化をもちかけたのだ。

読み進めるなかで、エルバート・ハバード(1856-1915)がでてきた。自分で800人もの社員を抱える大出版社をつくりあげた成功者である。この人のことを調べたことがあり、多くの名言を発見した。「人生における最大の失敗は、失敗を恐れ続けることである」。「一日に少なくとも一つは自分の力にあまる事を成し遂げようとしない限り、どんな人間でも大した成功は期待できない」。「報酬以上の仕事をしないものは、仕事並の報酬しか得られない」。「 明日いい仕事をするための最良の準備は、今日いい仕事をすることだ」。「天才とは、絶え間なく努力を続けられる人間のことである」。「心を込めて仕事をしなさい。そうすればあなたは必ず成功する。なぜなら、そういう人はほとんどいないからである」。「幸運とは、不屈の精神のことである」。

「貧困、無教養、無知、絶望、恐怖」という運命を乗り越えたナポレオン・ヒル自身のアドバイスを聞こう。

「老年は、あなたの人生で最も有意義な時期なのだ」「成功とは、自分自身の人生を生きること」「富を分かち与えると、よりいっそう多くの富を得る。利益をほかの人々と分かち合うと、あなたはその人々の債権者となり、当然、その「貸し」はあなたに返される」。

ナポレオン・ヒルは「心の平安」について語っており、なかなか興味深い。

「否定的な力や、心配、劣等感といった態度からの解放」「我欲からの解放」「精神的、身体的な疾患からの解放」「恐怖からの解放」「意味もなく何かを求めるという弱さからの解放」「仕事と遊びと達成の歓びの所有」「自分自身であること、自分自身で考えたことを行うという習慣の形成」「人生の態度を正しい方向に向ける習慣の形成」「他人の精神的自立を助ける習慣の形成」「死後、どうなるかという心配からの解放」「自分が何をしたいかという点から物事を考える習慣の形成」「不幸を幸福に転換させる習慣の形成」「取ろうとするより先に与える習慣の形成」。

「心の平安」へ向かうためのキーワードは「解放」と「習慣」のようだ。こういった「心の平安」を伴った成功を獲得して欲しいとヒルは述べている。そうありたいものだ。

「富を分かち与えると、よりいっそう多くの富を得る」を名言として取り上げたい。それは「利益をほかの人々と分かち合うと、あなたはその人々の債権者となり、当然、その「貸し」はあなたに返される」からである。